ヴィクトリアマイル
オレハマッテルゼに乗っているときのヨシトミは別人にしか思えない。
桜花賞馬の不運は古馬牝馬路線にマイルのレースが阪神牝馬Sと京都牝馬Sという別定レースしかないことにある。牝馬としてはかなり酷な斤量といえるだろう。そんななか春のG1を数珠つなぎにするためにできたのがこのヴィクトリアマイルである。前哨戦も阪神牝馬Sという久々の古馬の1400mレースが用意された*1。阪神1400mは本サイトの推奨コースでもある(まあ今年で改修するのだが)*2。
■ 世代比較
個々の馬と世代との比較は違うという意見もある。確かにそれはそれで正しい。しかし、それ以上にこの話をしていかなければ今回のヴィクトリアマイルは語れない。
牝馬として33年ぶりに宝塚記念を制覇した馬としてあまりにも有名だが、去年はヘヴンリーロマンスがいたために牡馬が弱かったのではないかという話もあるだろう。だが、こと宝塚に関してはベストメンバーだった。タップダンスシチー、ゼンノロブロイ、ハーツクライ、リンカーンという面々をまとめてスイープしたこの牝馬は大きく世代をリードした。
この世代は強い。去年の牝馬路線はスイープトウショウの世代がまとめてスイープ。最後にアドマイヤグルーヴにとられただけだった。この世代のマイルG1をとったのがヤマニンシュクル、ダンスインザムード両馬は1年のブランクを乗り越え、ともに前哨戦で好成績を残してこのヴィクトリアマイルに挑戦してきた。
さらに、この後ろあたりにいるのがヤマニンアラバスタ。全5勝のうちのすべてが左まわりという典型的なサウスポーで、持ち味は長く使える33秒の足である。東京向きの瞬発力をもってして去年の府中牝馬Sはコールド勝ち。
■ 4歳
この世代ではシーザリオが抜けていて、ラインクラフトがマイル以下では無敵という様子。エアメサイアが武豊の腕一本だけでついてきている。これはエアメサイアがレースに対してとても素直で、必ず最後は足を使うことができるというセンスがぴったり合うという面もあるだろう。その一歩後ろにディラデラノビア、デアリングハートがいるという構図になっている。
■ ステップ
さて、ヴィクトリアマイルでは4つの路線が名目上のステップとなった。その4つとは中山牝馬、福島牝馬、阪神牝馬、マイラーズCである。これらのレースがわかりやすいステップになっていたため、有力馬がこぞって参戦。それぞれの道で実績どおりの結果を残してきた。確固たるG1実績を持つ馬たちに順調にこられてはどうもこうも太刀打ちできない。
それがオッズに現れている。
ラインクラフト 2.4 桜花賞 NHK マイルCS2 阪神JF3
ダンスインザム 4.7 桜花賞 マイルCS2 天皇賞2,3
エアメサイア 5.2 オークス2 秋華賞
ヤマニンシュク 11.1 阪神JF 桜花賞3
ディラデラノビ 11.3 オークス3
ヤマニンアラバ 15.1 オークス3
アグネスラズベ 17.8
残りは空気。そういった雰囲気だ。確かにいわれてみると空気。しかし、ここから少しは探さなくてはならないと義務つけてみるとすると臨戦過程が許せるのはマイネサマンサ、ロフティーエイム、チアフルスマイルくらいか。
1200、1400と使ってきたラインクラフトは逃げる可能性もある。マイネサマンサが森下騎手でちゃんとペースを作ってくれるかも怪しい。これはペースが読みにくい。マイネサマンサが行ってラインクラフトがからめば先行が全滅で中山牝馬Sの3頭が上位を独占という形もあると思うが、NHKマイルカップが差しで決着しているとなるとライン、ダンスあたりは追い出しを遅らせることを意識して
*1:昔のセントウル以来