白いOPERA

白い塔巨

財前「君は、国内で勝つことが悪いとおもうのかね」
柳原「いえ、そういうわけでなく一度海外に出してみてはどうかと」
財前「それではもし惨敗した場合の心配を考えているのかね」
柳原「いえ、ただこのまま日本のG1を勝っても…」
財前「年度無敗馬の私が日本に適性があるといっているのだ。最近G1になったばかりのドバイに出す事にいまさら何の意味がある。柳原くん。私はね、これでも今日まで自分の判断が誤っていたなどと考えた事が無い。なによりそう考える事が世代代表馬にとってどんなに恐怖を覚えさせることか。」
テロレーン♪
柳原「しかし、天皇賞前に出してみても遅くはないかと…」
財前「1年間無敗。その事実で十分じゃないか」
柳原「あの、財前先生。この路線、最期まで見たいと思います。確かに、海外、しかもドバイのレースに出す事は本来の趣旨から外れることです。でも、本当にこれで良いのかと、ただ闇雲に日本のレースを消化しオペドトだけに突き進んできた結果、失ってきたものもあるのではないかと。青いかもしれませんが、海外をいかに見送るかということを私達も考える時期に来ているのではないかと。そう、思うんです。」
大河内「柳原くんきみを指示するよ。おたがい貫こう」


〜人物紹介〜
財前吾郎
8歳。国立世紀末大学年度代表馬科教授。
国内王道路線を専門とし、とくにクラシックディスタンスに関しては絶対の技術とそれに裏打ちされた自信を持つ。頭の回転の速さと、用心深さにより、自信に満ちたふてぶてしさと、打って変わった謙虚な態度を相手によって使い分ける男。


柳原 弘
4歳。クラシックを終えて1年目。第一外科医局員。
ようやくG1を獲ることができるようになってきた。多くの勲章をもつ財前を馬として尊敬している。よい馬になりたいという純粋な思いを持ちつつも、路線過誤裁判に巻き込まれ“白い京都”に身を投じていく。
第70代日本ダービー馬となる。

大河内 ゲスト出演