ギリシャのサッカーは相手を苦しめるサッカー〜ツァルタスの使いどころ

4年に1度。王者が決定する。今年、アンリドロネー杯を受け継ぐのはどのチームか



黄金世代と新世代が融合していき、新しいチームとなってきたポルトガル
王者を破り、次々と強豪を破ってきたギリシャ



TBSのファイナルプレビューを見ているのだが、驚くべきことを話していた。ギリシャは今大会で全試合相手チームにシュート数で負けているというのだ。決定機をでたらめに狙わずに、守備を堅めてチャンスをきっちり決めるということだろう。



今大会でギリシャがやってきたサッカーはマンマークで徹底して守り、チャンスではきっちり一変してカウンターで攻めるという作戦。その守備の作戦でも、相手チームの主軸となる選手を徹底的にマークして自由を効かせずに相手に決定的なチャンスを作らせずにはやまった攻撃をさせている*1。DFが切り崩されてゴールになるというシーンが少なく、相手にゴールされるのは確率の低いスーパーゴールのような形が多い。



また、相手のチームからするとギリシャは逆にどの選手をマークしていいのかというのがわかりにくい。攻撃の起点はザゴラキスであることも多いが、彼だけに頼っているわけでもなくあくまで前半は相手の攻め手を消して0−0で折り返していくという作戦。後半もつねにチャンス待ち。相手のミス待ち、チャンス待ちという作戦はギリシャよりも実は相手のあせりを生んでいい方向になってきた。



そんなギリシャのなかでおそらく監督に攻撃的な意識をもって使われる選手はツァルタスだろう。ツァルタスはスタメンとしては出て来ない。なぜなら、ギリシャの作戦ははじめから自分から仕掛ける攻撃を捨てている。彼が出て来るときはいよいよギリシャが攻撃に出るというとき。後半も終わりかけというときである*2。守備にかける人数を減らしてでも攻撃の起点となれる彼が出て来るまでギリシャが同点で粘れているか?この決勝はこの1点に注目してみたい。

*1:たとえば、精度の低いミドルシュートを打たせる。角度のないところからシュートというシーンを作る

*2:もしくは延長はじまってから