JRAは衰退しているのか 前編
PATとか会員数がふえているのに、JRAが衰退しているという話題があった。
本当にそうなのか違和感を覚えたので調べてみた。
HP上で情報が開示されているのがここまででその前が乗っていないのだが年度ごとに勝ち馬投票券の収入は減っているというのがわかる。この3年では3兆円にとどいていない*1が、イメージどうり下げどまっている。これが新馬券である馬単や3連複のおかげということだろうか。
勝ち馬投票券収入(千円) 年度代表馬
平成16年 2,828,169,510 シンボリクリスエス
平成15年 2,980,267,810 シンボリクリスエス 馬単 3連複導入(6月福島)
平成14年 2,994,440,310 マンハッタンカフェ
平成13年 3,460,907,310 テイエムオペラオー
平成12年 3,773,233,510 エルコンドルパサー
平成11年 ワイド導入
残念ながら券種ごとの売上実態というのは乗っていないのでわからない。
馬単、3連複導入によって使う金額は増えたように思える。単勝のかわりに馬単で絞って買ったり*2、人気薄→人気のような馬券の買い方をすることが多い。凝っているのは2着が多い岡部、岩崎、松永、和田あたりの2着付けの馬券。
3連複の場合はやはり3着に入りそうな馬をBOXに近い形で買うことが多い。また、PATの場合は1頭軸BOXというものがないため2頭軸総流しという買い方をする方も多いだろう。すると、100円で流しても16頭立てで14通り。1400円になる。もちろん軸にしている2頭を馬連で買うことも平行して、結局使う金額そのものが増えているようなイメージだ。
そこで、3連複を発売する以前と以後で売上はどう異なっているのかを調べるために同じレースの週の競馬ブックで過去と比較することにした。
のだが、つい先日たまりすぎた競馬ブックを大量に処分したため2002年の新馬券以前の競馬ブックがほとんど残っておらず。残っている週のものは最近買っていないような週のもののデータを残すためにとっておくことにしているだけなので*3、なかなか一致するものがない。
企画だおれ
とはならず、運よく押しいれからダービーの週のブックを見つけることができた*4ので比較してみる。
比較方法
・どの券種が売れているかを調査(02〜04のオークス)
・メインだけでは心配なので裏開催の中京未勝利ダート1700*5も調査
ちょっとショックだったのはダンスインザムードがいた年なのに売上は下がっていること。ダンスにびびってそれほど金額を張れないと感じた人が多かったという結果かもしれない。実際、去年の2人気がスティルインラブの5.6倍だったのに対して今年はヤマニンシュクルの9.3倍
オークス
単勝 複勝 枠連 馬連 ワイド 馬単 3連複 計
02 4,456,404 2,998,968 23,704,397 168,210,925 25,870,793 225,241,487
03 5,820,901 3,471,021 16,536,447 91,378,565 12,471,017 58,263,045 50,591,234 238,532,230
04 4,872,763 3,150,220 12,698,302 67,879,475 11,075,295 47,642,743 57,120,210 204,439,008
ちなみにアドマイヤグルーヴとダンスインザムード単体で単勝を比較すると
エアグルーヴのほうがダンスパートナーより人気あるということか、それとも去年の教訓に懲りたのか。いずれにしても馬連・ワイド・枠連が人気をなくして馬単・3連複にシフトしている。単勝・複勝の売れ方は変わらない。
アドマイヤグルーヴ 2,739,965
ダンスインザムード 2,642,641
さて、次は他のサンプルを見ていこう
さきほどダート1700条件で揃えると書いたが、調べていくと2004年は1700は2Rで朝のため売上が極端に少なかった。それならば、レース数が同じ4Rに揃えるほうが単勝複勝の売れ方が似ているので参考になると考えた。
中京2日ダート1700未勝利(04年は1000m)
単勝 複勝 枠連 馬連 ワイド 馬単 3連複 計
02 4R 142,949 110,623 385,358 2,723,688 655,936 4,018,554
03 4R 100,058 83,945 226,126 1,007,795 226,298 917,429 888,769 3,450,420
04 4R 119,879 105,079 207,840 894,003 204,148 698,770 1074,707 3,304,426
02年のレースは単勝をみてもちょっと売上は多めだ。それにしても、やはり単勝・複勝は変わらず根強い人気をもっているのに対して他の券種はすべて売上が落ちている。馬連、枠連、ワイドのかわりに馬単・3連複という傾向にあるようだ。
とくに、なれてきた2004年になると馬単よりも3連複という傾向がみえる。これも、朝の平場では馬単につっこむよりも3連複で流すような買い方で万馬券狙いのような傾向にあるのかもしれない。
さて、そんななかで次の札幌開催から札幌など限定で3連単が試される。本格的に導入されるのは秋とのことだが、現在も券種ごとに拡散し全体の売上があがるということにはなっていない。3連単ではたった3頭でBOXしても6通り*6。馬連で的中するのも難しいなかで、3連単の需要は高いのだろうか?もちろん、3連単という馬券があることで選択の幅が広がるレースもあるだろう。ファンにとってはありがたい馬券であり、気づかずにマークしていたらとんでもない点数になってしまうようなことになりかねない危険な馬券でもある。
なんといっても、的中確率は16頭で1/3360*7。
*1:これがひとつの目標だろう
*2:これは失敗しやすい
*3:インターネットにつないでからはそれほど競馬ブックに頼ることはなくなった
*4:2002年のダービーの週の分はシンボリクリスエスとマチカネアカツキにグリグリマークつけていて泣きそうになってきた
*5:最も多いレース
*6:以降、24、120、720、5040、となっていく
*7:1÷出走頭数(頭数−1)(頭数−2)とナンバーズ3の1/3。あちらの賞金が万単位であることをしても、恐ろしいものに手を出すのである。
3連単が増えてもJRA売上が増えるわけではないということは予想できそうだ。
次回予告
年間の入場料を比較することでどれだけの人間が競馬場に脚をはこんでいるかというのがダイレクトにわかる。衰退しているといわれるJRAに観客は入っているのか?次回はその話をすることにします((眠すぎるので寝ます