西武ライオンズと佐々木厩舎 〜その1 中村剛也〜


息長く活躍できるのは、高校からあがって西武ライオンズで地獄のような基礎練習を受けたおかげでしょう。


週刊ベースボール 2004年6月28日号 鉄腕かく語りき*1


そう語るのは現在198勝。
あと2勝で名球界入りとなる41歳の工藤公康投手*2




西武ライオンズは高校生出の超一流選手をもうかなりの数輩出している*3。その方針というのが走・攻・守の3拍子が揃うような基礎ができる選手になるまでは厳しい基礎の練習を積み重ねる。西武の育てる選手が息の長い活躍をするのもこの下積みのおかげだとその選手達が口を揃える。



その西武からまた高校出身の超一流が生まれようとしている。




中村剛也選手は西武ライオンズ高校野球の予選記録6本塁打、高校通算83本塁打*4をひっさげてドラフト2位でとられた内野手。見る者がしびれるようなスイングと飛距離をもつ期待の選手。この中村選手も西部ライオンズは2年目はちょっとだけ1軍登録するだけで、ずっとファームにおいていた。まさに、西武のいうところの走・攻・守3拍子そろった選手でないと1軍にはおかないというポリシーそのもの。その間にはものすごい基礎を積みあげているのだ。



その、中村選手がついに登録された。アテネ五輪で和田選手が抜ける穴を少しでも埋めるには必要ということもあるのだろうが、基礎ができた。ということでもあるのだろう。このとき、私は楽しみなのとともにライバルとしては恐ろしい選手があがってきた。と思ってしまった。1軍登録された次の日の 戦でさっそく初本塁打。役者が違う一発。


試合後、ホームランボールを受けとった中村選手はなんとボールを家にもきちんと保管していないという。次の日に記者がコメントをとろうとしたときの話が


「中村君は初ホームランのボールを両親にプレゼントしないの?」
「え?なんで、そんなことするんですか?」


と、まるで俺はそんなところに興味はないとおもわせるしゃべり。


大物が1軍にデビューしていきなり活躍できるのも、息の長い活躍ができるのも西武のファームでの基礎の積み重ねといえる。高校とプロでは1シーズン通して筋肉を使うという状況からしても圧倒的に違う。


それにしても、後半戦の西武は豊田という圧倒的なクローザーを欠いてサヨナラ4回と苦戦している。明日からはアテネに松坂、和田がいくことになる。これまで以上に細かい点差でのギリギリの試合が続くと考えられる。豊田という柱が戻ってきて強い西武であって欲しいものだ。


競馬の世界にも若い時代は下積みを積み続け、レコード3回。
この秋、競馬世界の最高峰である凱旋門賞へ挑戦する馬がいる。
明日はその馬の話

*1:ちなみに、今年の工藤は週ベの投手特集(1999と現在の比較)を見てフォームを正し4勝をあげたそうな。

*2:かっこええ

*3:ぱっと思いつく人で工藤、秋山、松井、松坂、中島、清原…

*4:歴代2位。実は1〜3位は全て西武に入っていたのだ。鈴木健、清原