エルムS/小倉2歳S/新潟2歳S/不知火特別

エルムS


レースはブラックパワーがひっぱり、タイセイブレーヴも持ち前の先行力でついていく。さらにパーソナルラッシュがその外につけて3頭がほぼ重なった状態で進んでいきました。ウインデュエルはその3頭にきれいに囲まれた状態で後ろを追走。そして、この3頭が3コーナーまででペースを落として行くと、ウインデュエルが進出。だが、ここでパーソナルラッシュの藤田がビタいちあけず。関東騎手が集まったときとは違い、伊藤、川島、藤田の3騎手は岡部大先生に譲る道も与えず。結局4コーナーで一旦下げて外に廻して交わすという作戦を取る。これはもちろん相手を後ろにいてさらに外を廻しているタイムパラドックストップオブワールドと考えてのことだからこそのカットプレー*1

だが、計算が狂う。ユニコーンSまでは言うこともきかず直線までなにもしなかったパーソナルラッシュが大変身。余裕で追走して4コーナーで早くも先頭に立ちそのまま押し切るレースをしてみせた。形は圧勝だがウインデュエルの評価を下げるような一線ではない。それでもあの体勢から盛り返すほどの超一級ではないのだろう。帝王賞ナイキアディライトにつめよったアドマイヤドンと同列に話すのは失礼。


1着 パーソナルラッシュ 藤田
3コーナーでの好騎乗にもつきるのだが、チークピーシーズを使って楽に追走できるようになったのが何よりも収穫。これからは先行できる馬として考えよう。


2着 ウインデュエル 岡部
3コーナーでの岡部騎手の立ち回りには失望した。そう、関西騎手の若手も中堅になって上手くなっている。地方騎手、外国人騎手までが台頭するなかで彼らが揃う重賞での一瞬の判断の遅さを感じてしまった*2。タイムに勝つための騎乗方法だったのだろうが、それでも寂しい。


3着 タイムパラドックス 安藤
このレースであれだけ外を廻していても、4着以下とは貫禄が違った。平坦コースならやはりかなりのクラス。


4着 マルブツトップ 芹沢
今までのように先行できず。後方からのマクリ作戦。粘り通すかとも思われたがタイムパラドックスの脚に負けたが、堂々としたレースができたのは元のクラスに戻ったときの収穫になるだろう。


8着 トップオブワールド 四位
右まわりだと外に膨れて、直線では外へ膨れどんどんかわされていくようになるようだ。当分は左専門と考えておきたい。武蔵野Sなどに出るのならば買える。



小倉2歳S


坂口厩舎はツルマルオトメ6着、エイシンハッピー8着と小倉も新潟も結果を出せなかった*3。逆に小倉ではここに集中させて惜しげもなく出してきたコスモ&マイネルラヴ3頭出し*4が1,3着ゲットと2着もミスプロ系統のアフリート産駒をはさむレースとなった。今年もまた外国産の人気馬が負けてしまった。内枠のせいというのもあるが、相性が悪い。


1着 コスモヴァレンチ 武幸四郎
連闘。ツルマルオトメを追いかけながら後方から来て、軽々と並びかけ最後は競り落とすというレースっぷりは早くも良いレースセンスを見せつける形。幸四郎も「この馬に次も乗せてもらえるかはわかりませんが」と調教師にプレッシャーをかけるナイストーク。面白いのはマイネルラヴ3頭のなかで親父と同じ毛色をしていたのがこの馬だけだったことだ。
親は海外G1馬を真っ向勝負で切り崩したとんでもねえ馬だった。新種牡馬は2歳G1にも強いので、今年も小倉女王が全国を席巻する。


2着 ケイアイフウジン 幸
+6キロで馬体がよくなっている。最後の枠入れで超絶好のスタート。このレースはとにかくこの2頭が抜きでていた。とくにダートからという異例のローテーションで2着に来たテン能力が優秀なこの馬は名前も横文字っぽくなくてこれからこの2頭はお気に入りになりそうだ。


3着 コスモフォーチュン 
ケイアイフウジンにしてやられた。だが、コスモヴァレンティには大分差がある。


4着 エイシンヴァイデン 福永
ゲートに入るときからかなり苦戦していた。スタートはそれほど良くなく馬場の内側を通る。直線向くときには中央に馬が殺到し、内は荒れていて通りたくないということでレース運びが上手く行かない。福永騎手がべた褒めだったがこんなものか。



個人的感想
フェニックス賞を軽んじていた癖に2着馬からという変更はちょっと暑くなりすぎた。練りが甘い。日曜の小倉武豊が勝てずに幸騎手が3−2−0−2というのは素晴らしかった。



新潟2歳S


1着 マイネルレコルト 後藤
インタビューで北嶋選手のマネ。でも、どうせやるなら


「気持ちいい、チョー気持ちいい。やる前からハンセンとの勝負と思っていた。絶対に勝ってやるとスタート台に上った。応援してくれた人に感謝したい。勝ったと分かった時は鳥肌もんで、気持ちいい。200メートルでも最高のパフォーマンスをしたい」
ですから。これをまるごとパクって

「気持ちいい、チョー気持ちいい。やる前から吉田との勝負と思っていた。絶対に勝ってやるとゲートに入った。応援してくれた人に感謝したい。勝ったと分かった時は鳥肌もんで、気持ちいい。朝日杯でも最高のパフォーマンスをしたい」
くらい言ってくれれば面白いのに*5。実際、後藤騎手はまるでショウナンパントル一本に狙いを定めたようにマーク*6していた。


レースは中段からショウナンをマーク、直線で並びかけた*7ところからもう1段スイッチをいれての完勝。まだ、相手を子供扱いしている。後藤騎手も字面では興奮しているように見えるかもしれないが、裏腹に勝って当然という余裕が見えた。マイラーっぽくはないんが、まだ奥がありそうだ。
またしても内回り1400mを先行して勝った馬の勝利。


2着 ショウナンパントル 吉田豊
パドックではまだ落ちつきあるとはいえないが、レースに入ると自分が圧倒的だという存在感で吉田豊のレースの進め方もまさに横綱として迎え入れる競馬。後藤騎手の好騎乗でレース経験も多いマイネルレコルトにやられた形にはなったが、かなり上が見える馬。
祖母はバブルスペクター*8、その系譜には数々のサンデーの優等生。いい馬じゃねえか。吉田豊×大久保コンビというのも、この牝馬の可能性を楽しみにさせてくれる*9。前走の出遅れもなく好位からのレースができたこともプラス。次のレースは勝ちにいけるだろう。


3着 スムースバリトン 
ゴールがどこかってのを全くわかっていない。鞍上のムチに反応せずにまわりを見て勝手に反応、エンジンがかかってきたところでとっくにレースが終わっていた。こういうところを見ると、下りで流れの早くなる京都向きの雰囲気がある。
スペシャルウィークの子供だけあって、グラスワンダー産駒のフェリシアが粘るところをズバッと交わした。ファンとしては父同士は左回りでは対戦しておらず、左回りだったら負けてなかったとか細かい話をしたくなるんだよなこれが。



不知火特別


アインクライマーは前走と全く同じパターンの負け方。荒れたスタートしてから内馬場でレースを進めて直線でかわされるレース。ここまで狙ってきてようやく気づいたのだが、この馬は内埒をうまくつかってレースをしている。狙いはここではなく馬場のきれいな次か。と、思ったのだがこのローテーションでは結局また開催後半に出走することになるのではないだろうか?
次に狙うときは内外の馬場差がないときに

*1:外の馬を使ってタイムパラドックスの進路をかせぐ

*2:今回はほぼ藤田ひとりにやられたわけだが

*3:結局なんだったんだ

*4:この次点のレースに同父で3頭だしできるなんて凄すぎるぜマイネルラヴ

*5:無理な注文

*6:強い馬に乗った時の彼の持ち味は一番走ると思える馬をきっちりマークできることにある

*7:カメラアングルでそう見えただけかもしれないが

*8:バブルガムフェローとか

*9:同じコンビのメジロドーベルは中山で行なわれたこのレースを5着だった