天皇賞・秋 〜統一チャンピオンの決定へ

明日はPRIDE28。ミドル級の王者が決定する。PRIDE無杯のヴァンダレイ・シウバに挑むのはクイントン・ランペイジ・ジャクソン。くしくも去年のと同じマッチを組むことになった。パワーだけでなく技術も高まってきた挑戦者に王者はどう戦うか楽しみである。
収穫の秋。稲穂がみのり馬肥ゆる秋。私は2頭の牝馬のことを考えていた。明日の天皇賞は馬のレベルを考えても牝馬にも随分チャンスがあると思う。


1頭はダンスインザムード


名牝ダンシングキイに日本最高の種牡馬サンデーサイレンス。兄弟の活躍は目覚しくその期待に応えて圧倒的な先行力で3連勝。引き続いて1番人気で桜花賞を制覇した。
迎えたオークスは姉のこともあり圧倒的な1番人気。しかし、輸送なしで調教が甘くなったのか馬体は仕上がらず。パドックでイレ込みを見せる。レースにいってもダイワエルシエーロに主導権を握られた上に抑える騎乗。持ち味の先行力を消す結果になってしまった。アメリカ遠征は向こうとのレベル比較ができないのでこの際無視しよう。秋華賞でも圧倒的な1番人気を背負いイレ込んで4着
古馬との斤量差2キロを貰い枠も2枠4番となった。ただ、騎手もルメールに乗り変わり。彼は小倉での騎乗の印象しかないが、馬の持ち味を出す騎手の上におえる。だが、このレベルの馬に日本で乗ったことがなく*1東京コースで2回しか乗っていない。初の古馬&牡馬相手となるとつらい。


1頭はアドマイヤグルーヴ


名牝エアグルーヴに日本最高の種牡馬サンデーサイレンス。その初仔として期待されて先行して3連勝。桜花賞では1番人気に支持されながら出遅れて3着。
迎えたオークスは母のこともあり圧倒的な1番人気。しかし、輸送で調教が甘くなったのか馬体は仕上がらず。パドックでイレ込みを見せる。レースにいってもさっそくの出遅れを決め後方からの騎乗。馬群に飲まれて持ち味を消す結果になってしまった。勝ったのはまたしても2番人気のスティルインラブ秋華賞でも1番人気を背負うがスティルインラブに0.1差となってしまう。ようやく人気と実力が逆転したのがエリザベス女王杯。発走がスタンド直前の2レースとは違うというのも好材料なのかきっちり折り合って叩き合いついに冠を受けた。
明けて古馬牡馬との対戦にプラス18キロで挑んだ大阪杯マグナーテンの超ドスローを横綱相撲を仕掛けにいって0.5秒、金鯱賞でもタップダンスシチー横綱に対抗した女力士。レコードの0.6秒差。マーメイドSではようやく462キロまで体重をおとしての勝利。秋は大舞台に向けて京都大賞典からの始動。春の内容から陣営ははっきりいって牡馬相手の手応えをもっていたと思う。去年制したエリザベスの冠よりも歴史的な勝利が欲しいのである。京都大賞典のあともすぐに調教をつけはじめている。府中牝馬にしなかった時点でもともと天皇賞は視野に入れていたのであろう。そこへきてキングカメハメハの回避はまさに待っていましたということか。



境遇が似ている良血牝馬2頭から武豊アドマイヤグルーヴを選んだ。


武豊がデビューから乗り変わることなく乗りつづけたサンデーというとマーベラススペシャルあたりが思い浮かぶ。前走はプラス12キロでの出走。3コーナーからまくりに行こうとして外を狙っての失敗。牡馬とマイナス2キロで戦えるのは初めてのことである。いつもはまくりきれなかったのがここで府中の長い直線を利用してつきぬける。シルク、リンカーン、ゼンノの叩き合いを尻目に横からつきぬけてというレースになるだろう。さらに、もっと重要なことは武豊がG1馬に乗っているのに10番人気なのはもう何年ぶりのことなのかしれない*2。2000mは最も得意な条件。母が制した舞台に上がれるか。
1,2,3着



シルクフェイマス


この馬の強さは先行力と勝負所での強さにある楽に動きはじめてそのまま抜け出しても緩むことなく突きぬけることができる。自分でタイムを出せるからこそ混戦での鞍上の迷いも少ないだろう。四位騎手がこういう場合宝塚のように後先考えずに馬の力を出すことだけを考えてくれるということからも圧倒的に頭にとれる馬である。
ちなみにぶっつけにする理由はステップレースがないからのようだ。ステップレースとすればオールカマー京都大賞典なのだろうが、オールカマー天皇賞とは相性が悪く9月始めから調教しなければならない。京都大賞典の場合はローテーションの問題である。レースの疲れがすぐに抜けるタイプでもないのでこれまで1ヶ月以上間隔を明けて使われてきている。中2週の京都大賞典よりも宝塚→秋天という直行ローテは過去に好走があること、直行すれば秋天→JC→有馬という理想的なローテをとれることがあるのだろう。その結果かここ3週でびっしり追い切ってきてむしろ1度叩いたゼンノよりも仕上がったといえる。1,2着


リンカーン


この馬の直行も気性的にレース1戦目のテンションの方がこの馬に合うということとシルクと同じ中2週の問題があるようだ。後方からのイメージが強いが実際は有馬記念で先行してみたり自在性のある馬。前にもつけようと思えばつけられるだろう。おそらく安藤騎手ならば馬の力を出すためにゼンノロブロイをマークできる8番手あたりのポジションになる。ゼンノがシルクをとらえにいく所を後ろから。まさに宝塚と同じ競馬でねじ伏せる。2,3着


ゼンノロブロイ


混戦であるほど1番人気のマークはきつくなる。他にマークする馬がいないからである。この馬の成績を見ていくとどのレースも後ろの着順の馬には1馬身差をつけているが、前の着順の馬には0.1秒以内で負けている。つまり競り合うのに弱いということだ。その上単独で先頭に立つとソラを使う。それでもペリエなら強引に突きぬけて来るのかもしれない。だが、この馬のまわり有力馬があつまりすぎた。キングカメハメハが抜けたチャンスに強く追い切ってくるかと思ったが、そうしないあたりはまだ先のことを考えるとここがベストとも第一目標でもなくおそらくシンボリクリスエスではたせなかったジャパンカップを大目標としてここで10割とはしていないのだろう。ここは軽めに評価したい*3。2,3着



シルクフェイマス
アドマイヤグルーヴ
リンカーン
ゼンノロブロイ
◎軸馬単流し○は裏も
シェルゲーム ヴィータローザ バランスオブゲーム
◎○軸3連複

その他の馬の評価


マイラー軍団


マイソールサウンド 58キロ無理
バランスオブゲーム 3着が限界
ローエングリン   3着が限界
テレグノシス    距離が限界
の君達はマイルCSで買いたいからここではきっちり凡走してね。


ヴィータローザ
ボロクソ馬場のセントライト記念で強烈に突きぬけられるほど、悪馬場に強いだけに3連単ならば入れたい1頭ではあるのだがこの馬には東京コースは合わないと思う。有馬記念で買いたいので今は黙っておいてください。


ヒシミラクル サクラプレジデント
君達の役割は黙って1週まわってくることだ


ツルマルボーイ
自由に出遅れてください

*1:G1はアナマリーのジャパンカップのみ

*2:トゥザヴィクトリーの有馬以来かな→それでも6人気。もう未来永劫見られないかも

*3:つか消したい