たぶん傑作ドラマの富豪刑事


1本 8000円という葉巻を一口すっただけで灰皿にすりつける
神戸大輔は大富豪の孫であるが家を継がなかったという富豪。とても刑事には見えない刑事である。その刑事が事件解決に湯水のごとく金を使い、密室殺人の犯行方法を再現させるために全く同じ建物の会社を作ったり、読んでる側をそんなのありかよと言わせるような方法で事件解決…


筒井康隆作の富豪刑事は1978年に発表された傑作ミステリーである。ミステリーをあまり書かない筒井康隆が作ったのがこの設定。この設定ですでに圧勝である。だが、キワモノミステリというカテゴリに入れるのとは違う。事件はきめ細かく細部まで書きとおされており伏線からも"読者が推理する"という点に置いて全ての情報をさらけ出している。神戸大輔は"お金で犯行をさらけ出す"が、読者はそれを平行して推理することもできるという非常に優秀な作品である。この本の読み方は次のようになる。まずは、事件発生。読者側からするとこの時点で完璧な推理も可能である。次に大輔が行なう強烈な方法で金を使って得た情報によって推理のヒントが与えられ正解に近づく。


この作品では謎ときはないし、名探偵もいない。いるのは犯人に犯行を吐かせてしまうとても刑事には見えない金持ちのボンボンである。だからこそ、名探偵になりたい読者を惹きつけた。


さて、その富豪刑事が今更ドラマ化される。キャストは主演が深田恭子。ただでさえキワモノな刑事を孫娘という設定でいかにも金持ちのお譲様っぽい深田恭子が演じるのはかなりハマリ役な気がする。面白くなりそうだ*1。本来、この更新は昨日行なおうと思っていたのだが、まだあと1時間くらい猶予があるので急いで更新した。ぜひ見て下さい。面白かったら、たぶん新書がでているのでそちらも併せて読んでみて下さい。



追記


今日はこれとH2を見ました。びっくりした。


面白すぎる。いろいろと。

*1:たぶん大輔と鈴江を交えたようなキャラになるのだろう