九州の地銀
先日、高校時代の友人*1に会ったところ親和銀行があまりよくなかったらしいだのと言っていた。
確かに九州親和HDのチャートを見てみると決算前あたりから続落。次々と新値をつけて下がっている。
この調子だと120円くらいまでいきそうな勢いだ。
何がそんなにひどいのか。
ということで、九州の地銀について調べてみた。
2005年の九州の地銀決算が出揃ったところで増益が12行、不良債権の残高も減らしてきている。だが、不良債権の重みをもろに食った形で十八、親和は追加的処理を迫られて大幅赤字。不良債権処理の対応が明暗を分けた。
純利益が過去最高となったのは福岡、宮崎太陽、鹿児島、大分と前期赤字から立て直した熊本ファミリー、佐賀の6行。
明暗を分けた不良債権対策。他についてもPERと不良債権比率を比較してみよう。
/-------過去最高------- 今期1株あたり利益 PER(6月21日現在)不良債権比率(H16.9) 大分銀行 72.05円 9.88倍 4.81 鹿児島銀行 44.83円 18.18倍 3.50 福岡銀行 42.23円 15.30倍 3.62 佐賀銀行 28.36円 14.60倍 8.52 → 7.75 *1 ・第二地銀 熊本ファミリー 36.41円 8.24倍 10.48 宮崎太陽銀行 19.50円 /------- 黒字 ------- 今期1株あたり利益 PER(6月21日現在)不良債権比率(H16.9) 沖縄銀行 235.64円 14.77倍 7.57 琉球銀行 189.24円 13.45倍 8.82 肥後銀行 35.11円 21.16倍 2.81 西日本シティ銀行 24.59円 18.99倍 *2 宮崎銀行 16.07円 29.87倍 6.22 筑邦銀行 13.76円 35.61倍 7.25 /------- 赤字 ------- 今期1株あたり利益 PER(6月21日現在)不良債権比率(H16.9) 九州親和HD -69.64円 -2.24倍 十八銀行 -88.33円 -5.85倍 8.07
大分銀行は文句なしの投資対象。高利益を出している銀行は平成16年9月の段階ですでに不良債権の整理が整っていたことがわかる。全国でもトップクラスの水準の鹿児島銀行、肥後銀行、福岡銀行が九州内では優秀行。PERを考えると大分銀行を1000円台まで買い付けて良いだろう。
ところで私の地元。長崎の2行はかなりやばい。彼の言う通りだった。九州の第一地銀が軒並み黒字のなかで長崎2行が置いていかれた。九州親和HDの不良債権比率も親和銀行を参考にすると10%はありそうだ。経営目標として不良債権比率の減少をどちらも掲げている。今年、赤字から転換した2行にならって立て直してほしい。
「現場主義」と「危機意識をもった積極的で機敏な対応」を徹底させることにより役職員の意識改革を進め、経営の合理化・効率化および収益力の強化に向けた諸施策を積極的に実施してきた
(熊本ファミリー銀行決算短信より)
*1 佐賀銀行の不良債権比率は貸倒引当金控除後でみると、平成17 年3 月末で2.59%(平成16 年3月末では3.31%)となっており、貸倒引当金控除後では全国の金融機関の中でも不良債権比率の低い銀行の集団に入っている。
参考
地方銀行健全度ランキング
http://www.columnist-seiji.com/sub2-532.html
金融再生 不良債権、処理滞る地方 (asahi.com)
http://www2.asahi.com/2004senkyo/topics/mukanshin01.html
*1:長崎ね