晩成の考え方

大器晩成


競馬の頂点はダービーであり、メジロマックイーンスーパークリークヒシミラクルのような3歳秋、菊花賞で開花する馬。主役の舞台に遅れてきた彼等を晩成と呼ぶ。また、タップダンスシチーカルストンライトオのように5歳でようやく重賞勝ちというような馬は大晩成ということになる。では、6歳にして初重賞のダイワレイダースは?


競走馬のピークの考え方は次のように年齢を中心としたものがある。


早熟 2歳 〜3歳夏
普通 3歳 〜4歳夏
遅め 3歳秋〜4歳
晩成 5歳 〜
このように時期でとらえていると思う。


しかし、私は競走馬のピークは何戦使ったかで変わると考えている。つまり、仕上がりの速い馬は初戦からピークになっていき、じっくり仕上げるほどピークは遅くなる。競走馬としてのピークは大体18〜20戦ぐらいにあり、安定して高い成績を出せるピークの期間は10戦ほど。これを過ぎても重賞戦線で活躍できる馬が晩成といえる。


早熟  1〜10戦 
ヤヤ早  5〜15戦 スイープトウショウ アドマイヤマックス メイショウボーラー
普通 10〜20戦 ゼンノロブロイ スズカマンボ
晩成 15〜25戦 
大晩 20〜30戦 アサクサデンエン
超晩 25〜35戦 タップダンスシチー カルストンライトオ
これは調教師の方針もあるのだが、重賞に通用するような強い馬をつくるにはじっくり仕上げるべきである。使うレースはなるべく少ない方が良い。負けるレースをなるべく少なくするべきともいえる。本来、賞金を稼ぐことだけを考えるならば同じクラスで何度も出走するのがよい。その逆にじっくり使う馬の期待は高いと考えて良いだろう。
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新潟記念に登録しているダイワレイダースはすでに6歳だが、実にフレッシュでまだ16戦目。衰え始めるラインにも届いていない。この馬は先もきっと期待できるだろう。タップダンスシチーと同じようなカテゴライズはできない。札幌記念3着のコイントスも21戦目でまだまだ戦える脚だった。彼等はまだレース数でいうと多いわけではない。
逆にバンブージーコなんかは3歳夏にして20戦。もう競走馬としてのピークを過ぎた。これから勝つことはあっても重賞まで届くことはないだろう。
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20世紀末のチャンピオンホースであるテイエムオペラオー。彼がシンボリルドルフに並んだ天皇賞春が20戦目。それから、一度も勝っていない*1。重賞クラスの馬が頂点にたてるのはここまでだ。ビッグゴールドのようなタイプはあまりに珍しい。

今年の古馬G1勝ち馬
スイープトウショウ 4歳13戦目
アサクサデンエン  6歳24戦目
スズカマンボ    4歳15戦目
アドマイヤマックス 6歳18戦目
メイショウボーラー 4歳16戦目

2004年
ゼンノロブロイ   4歳13,14,15戦目
タイムパラドックス 6歳27戦目
デュランダル    5歳15戦目
アドマイヤグルーヴ 4歳14戦目
カルストンライトオ 7歳31戦目
タップダンスシチー 7歳35戦目
ツルマルボーイ   6歳29戦目
イングランディーレ 5歳23戦目
サニングデール   5歳21戦目

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ゼンノロブロイは20戦目に勝利する。チャンピオンSに出走して2着になった彼は秋の予定を昨秋と同じG1に定めた。彼が有馬記念を20戦目に選ぶならば、たとえ相手がディープインパクトであろうとも必ずねじ伏せてみせるだろう。ただし、そのときチャンピオンSで武騎手を乗せてしまったことは大きなハンデとなるかもしれない。


ちょっと脱線しすぎた。ようするにダイワレイダースは今がピーク*2

*1:京都大賞典はあくまでステイゴールドの勝ち

*2:1行ですんだ