ディープインパクトへ期待する大輪の華ならば…

ディープインパクトという言葉が競馬ファンの間で嬉々として語られるマジックワードになるために必要なことは無敗の三冠馬になることだ。だが、私も、多くの競馬ファンも、おそらくは武豊騎手も、こと淀のディープインパクトに関してはそれ以上を期待しているかもしれない。「空を飛んでいるようだ」と称されるディープインパクト。過去の名馬の才能は心肺機能を生かした先行力に現われた。三冠馬は総じて抜けたレースセンスを持ち合わせている。


ディープインパクトが持つ他を凌駕する才能の矛先は究極のあがり5ハロン。3〜4コーナーで仕掛けはじめてのスピードとその持続力にある。デビュー戦以外のディープインパクトのレースにはわずか1F*1で10頭ほどをゴボウ抜きにするシーンがある。スピードの違いが画面に表現される。そして、才能が究極の5Fに現われるのならば、大周りで下りきったら全て平坦という淀の外回りはその能力を余すことなく表現してくれるこれ以上とない最高のコースである。


今回の菊花賞だけで言うと、先行勢が良いラップで逃げるならば、56秒台という究極の5Fでセイウンスカイ&横山が叩きだしたレコードの更新余地の限界まで叩きだしてくれるのではないか。そんな期待までしてしまう。それが、手塩をかける陣営から去年師走の阪神「4来い!」と初めてディープインパクトを番号の呼称で呼んだ馬券親父までの総意だろう。


また、ディープインパクトは着地時間が短いことが有名である。ならば、丈の長い芝を苦にすることもなく欧州のもっと直線の長い。長く脚を使うことを要求するロンシャンのような競馬場での走りも見てみたい。そう思わせる。


去年の今頃はまだデビューしていなかった蛺馬。


師走…直線33.1の脚をして、競馬ファンにすぐに三冠を意識させたウインドインハーヘアの2002。


ディープインパクトは4枠7番…


3分の永遠が淀で踊る。あの日あの時、最高の菊花賞を人生の1ページに刻もう

*1:200m