日曜オールカマー劇場

ザパーン

名探偵をきどって事件の真相を確かめてみようと思う


日曜オールカマー劇場は犯人を探すのが簡単だ。大概はキャスティングを見ただけで犯人、探偵、やられる人を見ただけでわかる。私は新聞のラテ欄を見ただけでこの事件の真相が見えてしまった。その推理をお聞かせしよう。


中山競馬場に招かれた11頭

ウインジェネラーレ( 58.0) 美人女優
グラスエイコウオー( 57.0) 通行人A
スーパージーン  ( 57.0) 製薬会社社長
ダイワメジャー  ( 56.0) 黒ずくめの男
トウカイオーザ  ( 57.0) B
トレジャー    ( 57.0) 昼ドラ男優
トーセンダンディ ( 57.0) C
ハイアーゲーム  ( 55.0) 警視庁捜査一課刑事
ピサノクウカイ  ( 54.0) D
マヤノモーリス  ( 57.0) E
マーベラスダンス ( 57.0) F



黒ずくめの男 56


黒ずくめの男にはアリバイがない。56キロとはいえいきなりG1を制覇してしまうような天才。事件現場の中山常連でもあり、前科があるという噂も立っている。そこで、私はまずこの男に疑いをかけてみた…


誰が乗るのか知らないがダイワメジャーの気性の悪さといったらもう話にもならない。デビューではパドックで3人びきだったり寝転んだりやりたい放題。皐月賞の前にデムーロ騎手が乗りに来たからこそ皐月賞では大人しくレースを進められたのではないか。そういう馬だから、この夏によっぽど頭が良くなっていない限りはちゃんとレースができるかは問題で決して信用してはいけない馬だと思う。まさに▲にうってつけの馬
まともなら1着、そうでなければウインを捕えたところを一気にスーパージーンハイアーゲーム、トレジャーあたりに抜かれて3着がギリギリ。


黒ずくめの男は最も疑われ易いが犯人ではない。




美人女優 58


おそらく犯人にやられてしまうのはこの美人女優だろう。確かに春シーズンは事件現場でもかなりの活躍を見せていた。


逃げるのだとしたら休みあけのダイワメジャーはかなりウザい存在だ。ダイワメジャーにプレッシャーを与えられたらハイアーゲームに蛯名騎手を取られるとすると斤量の面もあって控えることになるだろう。そうなればダイワメジャーは独走でこの馬はかなり難しいレースをすることになる。去年も冬になっていって連勝していったことを考えると狙いはまだ先ではないだろうか?
よくて3着


美人女優は被害者だ。



製薬会社社長 57


次に疑いをかけてみるのは一見事件と関係なさそうな製薬会社社長だ。彼は最近メキメキと頭角を表してきてバラエティにまで進出している人気の中堅。今が売りだし中で超一流に混じれるかどうかというところである。ここで大きな仕事をすれば、次は主役でも良い。


中館×坂口コンビによるエイシンハッピー新潟2歳Sは大失敗に終わった。それでもスーパージーンの勢いが衰えるというわけではない。今年の1年ぶりのレースからの躍進は目に見えるように進んだ。オーストラリアTでは0.3秒差の最速あがり、新潟大賞典では大外強襲で3着、福島テレビオープンでは先行押し切りと実に多彩なレースぶりだ。北九州記念ではレコードペースについていけず勝負どころでつまったものの新潟記念は有無も言わせない先行押し切りを決めた。4着に1秒差をつけるレースは夏の成長と格の違いを見せつけた。ついにG2への挑戦となるのだが、G2とはいっても古馬勢はほとんどが新潟記念組。相手は3歳とウインジェネラーレだけだ。
休む前の成績を見ても中長距離での成績は優秀でとくに阪神、中山を得意としている*1。トップロードやヒシミラクルらのサッカーボーイ産駒は坂が苦手と言われたりしていたが、これもどちらかというと騎手の方が苦手だったと解釈している。中館とスーパージーンのコンビはこのレースでも楽しませてくれそうだ。
2,3着


一見、アリバイが多く真っ先に除外してしまいそうな製薬会社社長。実は事件に関係あるが真犯人ではない。



昼ドラ男優 57


昼ドラ男優はF2、F3層の視聴率を稼ぐだけに出しているキャスティングのようにも見える。ただ、彼の出番が少ないと数字が取れない。これは少頭数で高配当を出すためにJRAが書いた苦肉の策とも言えるシナリオだ。


57キロというのが無謀なのもレベル的には差があるのも十分わかっている。まともに走ったときのダイワ、ハイアー、ウインジェネ、スパジンあたりにはまず勝てないだろう。ただし、彼らは1着を取るのが仕事。こっちは3着さえ取ればIt's all rightなのだ。今年のこの馬は実は今までのなかでも一番に近いほど好走しているシーズンで完全に2,3着を狙うことで重賞馬にも数多く先着しているのだ。


小倉大賞典3着 アサカ、ローマン、エイチャン、キオウ、シャーク、ユウワン
東風S  2着 キタチャン、ハレルヤ、ヒューマ、モルゲン
目黒記念 2着 レグノ、バートラム、ヴィータタテヤマ、アクティバ、ビンテージ、ランハート


さらになんかマイルばかり使われていてマイラーと思われていそうな馬だがそうではない。くさってもブライアンズタイム。中山は最も得意としているし、中途半端な長距離が苦手な訳がない。覚えているだろうか?この馬は3年前!この時期に!セントライト記念で!2着しているのだ。マンハッタンカフェにもチアズブライトリーにも先着しているのだ。*2


えー、ワーワー言うてますけども。
ダイワメジャーがバグって先行が沈んだら、差して3着狙いに徹しているこの馬が割り込むことは十分に可能である*3


ということで2,3着



おいおい、それじゃあ真犯人は誰なんだ?まさか通行人?それとも…



刑事 55



刑事なんて疑いようもない。というかミステリーにおいて刑事を疑うなどというのはタブー。だが、この脚本を書いているJRAはこういうどんでん返しが大好きだ。ときにツマンネーとオーディエンスに嫌われがちなJRA。でも、読者のほうこそどんどん高い配当を望むのだからそれも仕方のないこと。刑事は左回りオンリーで右はてんでダメみたいなキャラだが、実はみせかけで恐ろしいことを考えているかもしれない。



この馬のことを弱い弱いって言ってるのだが、それはG1レベルの話。常に34秒台のあがりを使うことができ、弱い相手には圧勝できる力のある馬だ。ハイアーゲームに後ろから先着しているのはダービーで空き巣をやったハーツクライだけ。真っ向勝負の差しあいでは負けていない。


百日草
コスモバルク  02-01-01
ハイアーゲーム 07-07-07

ラジオたんぱ2歳
コスモバルク  01-01-01-01
ミスティック  04-04-04-02
ハイアーゲーム 09-09-10-08

弥生賞
コスモバルク  02-02-02-02
ショウボーラー 01-01-01-01
メテオバースト 04-04-03-03
ハイアーゲーム 08-08-09-06

ダービー
キングカメハメ 06-08-07-03
ハーツクライ  17-17-17-17
ハイアーゲーム 09-10-10-03

中山と阪神で大分負けているようにも見えるが、それは若駒中距離独特の先行馬を放置する流れではあがりだけで勝負してももはや手遅れだったというのが近いだろう。中山2200のペースならば今までよりも前の位置で競馬できる。また、ダービーをキンカメの外から無理やり勝負に行って最後まで粘りきれるほどスタミナには問題のない馬なので55キロでこの程度のメンバーならばまず間違いなく1,2着に来れる馬。同世代のダイワメジャーにしても向こうは乗り変わりな上にプラス1キロ。こちらを上に取りたい。
1,2着



刑事が犯人という最低の脚本を書くJRA。ただ、それはそれで面白い。


買い方展望


1.ダイワメジャーさよならパターン*4
1着 ハイアーゲーム
2着 スーパージーン トレジャー
3着 スーパージーン トレジャー ウインジェネラーレ ダイワメジャー


2.ダイワメジャー全開パターン
ダイワメジャー → ハイアーゲーム → スーパージーン、トレジャー

ハイアゲ→スパジン→トレジャーが本線ですね。オールカマーということで久々に殺人事件ネタをやってみました。昼ドラ男優トレジャーの名演技に期待。

*1:阪神2500で1−0−1−0、中山2500で2−0−0−0

*2:セントライト記念成績 http://keiba.nifty.com/db/race.php?race=200106040411

*3:ただし、4着のリスクも大きい

*4:かなり希望