秋華賞 その2 武豊の謀略


後だし競馬!展望〜
わーわー


今週は書いていた文章を載せる間がありませんでしたので、今更ですがスイープトウショウばっさりという脳のくさった結論に至る見解を後だしでのせていきたいと思います。文章は先週書いたもので、注釈は書き足したものです。

家の近くのコンビニで相変わらず競馬ブックを立ち読み*1秋華賞のページを楽しみに見てショックを受けたのがヤマニンアラバスタの騎手欄の柴田善の字というのは昨日書いた話*2だが、もっと気になることが…


スイープトウショウの調教欄を見ると1本しか追い切っていない。しかも、軽い。ローズSの他の出走馬も同じように10月に入ってようやく3本ほど無理に追い切っているというだけ。普通のレースならまだしも大事なG1だというのにちょっとおかしくないか?巻末の写真パドックを見てもなんか冴えない。これはどういうことなのか?鍵はトライアルのローズSにありそうだ。もう一度、ローズSのレースを見直してみる。


スタートは普通*3メイショウオスカルが先行していくところにダイワエルシエーロがつっかかってここからハイペースになっていくんだよな。ってそれほどつっかかっているわけじゃないのか。これじゃハイペースになっていることに気づかなくても仕方ない。4コーナーからもう池添は仕掛けて、柴原は追い通し。直線むくとオスカルは早くも垂れだし、ダイワもいっぱいになる。アズマはここで軽い不利の形か。グローリアスデイズはまだギアを入れ替えている。スイープトウショウが抜け出したところだが、グローリアスが追いつくけど*4外からは貯めていたレクレドールが貯金を全部使い果たして優勝。うーむ、たしかにこれだけのレースをトライアルでしてしまったら余力は残らんだろうな。にしても、武豊にしてはやたらペースが速い。まるで、トライアルとは思えない。1:59.0という時計は過去ローズSのレースタイムと比べると圧倒的に速い*5。ラップタイムなんて神戸新聞杯と比べても前半で飛ばしまくっているのがわかる。先行争いが激化した結果…?


ローズS  12.7-11.1-11.8-11.7-11.6-12.2-11.8-11.8-11.6-12.7 1:59.0
神戸新聞杯 12.7-11.8-12.4-12.1-12.2-11.9-11.4-11.4-11.2-11.9 1:59.0
02ローズS 12.6-11.5-12.3-12.1-12.3-12.3-11.8-11.7-11.5-12.0 2:0.1
00ローズS 12.6-11.2-12.1-12.4-12.3-12.2-11.6-11.8-11.6-12.5 2:0.3
巻戻して見てみる。先行争いなんて起こってもない。そうだ、レース前によく目にした予想は逃げたい馬が武ぐらいしかいないからスローになるはずという読みがよく見られた*6。そのとうりに武豊がすんなりハナを主張している。アズマ、ダイワだって控えている。そりゃそうだ。武のペースにさえついていけば前残りが確定しているのだ。トライアルで無理する必要もない。時計が速くなるとしたら2002年や今年の神戸新聞杯のように後傾ラップになってのものになるのが自然だ。

武豊がペースを読み間違えたのか?


驚くべきことに先頭に立った武豊はそのままメイショウオスカルを追っていた。ペースを落とすのではなく、どんどんペースを上げていったのである。


ここでひとつの仮定が浮かぶ


武豊はローズS組をつぶすためにわざと史上空前のハイペースに持っていったのではないか?
メイショウオスカル武豊にとってはたまたま回ってきただけの馬。武豊騎手にとって最優先すべきはダンスインザムード。となればローズSでは武豊騎手はそれほど勝つつもりもなく後続に疲労の蓄積するレースを。地獄ラップを刻み、なしくずしに脚を使わせたのではないか?この仮定が合っていたとしたらなんという執念か。それほどまでに、ダンスインザムードで勝ちたいとするものは何なのか?それほど秋華賞が特別なのか。武豊にここまでさせる不安があるのではないか。

アメリカ遠征の疲労


3歳の牝馬でそれほど気性もよろしくないダンスインザムードにとってのアメリカ遠征は決して良い条件ではなかった。そこで2着という実績を残したのもアメリカンオークスに対する完成度をかなり高めた結果だと考えられる。そこからわずか3ヶ月のローテーションで今度は日本のG1秋華賞に望むことになるダンスインザムードにとって疲労が抜けてベストの状態で出走できるとは限らない。ローズSに集まる春のライバル達のほうが条件的には1度叩くという強みもローテーションも合う。


クラシックにはあまり縁のない藤沢にとっての目下の問題は主戦騎手である。横山典を手放して以来、藤沢厩舎の実力馬には柴田、北沢、岡部が乗るシーンが多い。彼らは重賞レベルならそこそこの好走をしてくれるものの*7、G1に入ると関西騎手、地方騎手には全く太刀打ちできていない。外国人騎手がやってくるシーズンは彼らに頼めば良いが、もちろんそうはいかない。そんな藤沢にとってクラシックをとってくれた武豊はぜひとも今後も有力馬に乗っていてほしいジョッキーのはずだ。


また、武豊にしても逆なことが言えている。年間200勝をあげる彼だが、ここのところはG1クラスのお手馬というのはアンカツや外国人、若手騎手にもっていかれている。サンデー全盛が終わるのが彼の得意とする騎乗スタイルの終焉ともなっていくのかもしれない。彼にとっても藤沢厩舎との関係は残したい。


しかし、状態があがってこないダンスインザムード。そこで武騎手が考えたのがローズSを地獄ラップにして同じ疲労をつくってしまおうという作戦だったのではないか。これが正しいとしたならば、明らかに先行有利なレースで逃げ馬に乗って高速ラップを刻むという行為は武の前残りを期待したファンへの冒涜、公正競馬にしてゆるすまじ八百長ともいえるレベルだ。


私はダンスインザムードに○印をつけることを決めた。武豊に対抗するという気持ちからだ。絶対に武を勝たせてはいけない。


ローズS組でない、非サンデー系から本命を選ぶ。



幸いにも武の謀略から逃れた馬


クイーンS組
ヤマニンシュクル  父 トウカイテイオー
ウイングレット   父 タイキシャトル


紫苑S組
ヤマニンアラバスタ 父 ゴールデンフェザント
インゴット     父 サンデーサイレンス
フェミニンガール  父 kingmanbo

このなかで本命というとアラバスタしかなかったのだが柴田では到底買えません。

今年の桜花賞


逃げたい馬が大外枠に入ったおかげでレースラップを見ると前半も速いように見えるが道中は魔の桜花賞ラップと言われていた時代とは大違いで道中で息を抜くラップ。これのラスト3Fの瞬発力勝負というまさにサンデーサイレンス系統にうってつけのペースになった。道中にタメがなければラスト2F目の11.1というタイムはつくれない。


2004年の桜花賞ラップタイム
12.4-10.9-11.4-12.1-12.2-11.8-11.1-11.7


ダンスインザムード関東馬阪神未経験というハンデがありながら楽勝できたのは
・道中にタメができた
・1人気にも関わらず他馬が後ろにいてマークがあまかった


少なくともこの2点が多きく関わっている。ムーヴオブサンデーのようなタイプ*8が4着に粘り込むということからしてもマイル適正を問うような厳しい流れではなかった。ここから考えると桜花賞秋華賞という過去に4頭で3勝しているリンクもはがれると考えられる。こうなるとこのラップを先行馬に踏まれながら猛然と追い込んできた非サンデーのヤマニンシュクルスイープトウショウはこの桜花賞において高いパフォーマンスをみせている。


その片方、スイープトウショウはローズSで武豊の陰謀により消耗されてしまった。秋華賞では古馬相手に先行することを覚えた2歳女王ヤマニンシュクル阪神を制した2ヶ月と3日のローテーションで再び輝くときを待っている。ダンスインザムードを破るのは四位とのコンビだ。



あとがき


こうやってみてみると、スイープトウショウを切ったのはほぼ疲労という一点。下見の仕上がりは文句なしだった。他はともかくスイープの疲労はむしろ調教を中間も池添が乗れる日しかやらなかったようなので保てたのではないか。秋G1全予想では本命にしていた馬を消すとはひどい話だ。

*1:今週のレースは結構面白いけども、チアズメッセージがでらんので買う気まではしなかった

*2:http://d.hatena.ne.jp/umanusi/20041013#p1

*3:というかスイープトウショウがまともに出てきたことに驚き

*4:ここまでは的中を確信していたのだが

*5:次が2:00.1だからね

*6:武がペース読めなくなったということはないだろう

*7:とくに北沢が東で乗る時

*8:瞬発力勝負の短距離向きサンデー