天皇賞 その2 〜マイラーかステイヤーか〜

宝塚のときにもいわれることだが、この話題が最も大きく取り上げられるのが天皇賞・秋だろう。かつてはマイラータイプのスペシャリストが強い天皇賞・秋であった。ステイヤーはそのスピードに翻弄されてG1クラスでないと勝負にならないレース。その最たる例は3歳でバブルガムフェローが制した時の天皇賞・秋だと思う。その中に中距離のスペシャリスト*1が出てきて狙ってくるレース。ステイヤー派の人間としてはかなりつらかった。


しかし、サイレンススズカ以来時代は変わった。毎日王冠組の連対はなくなり*2京都大賞典組が圧倒的。宝塚記念が58キロの天皇賞条件になったこと、近年のステイヤータイプのスピード戦への対応能力が高いこと。高速馬場での早めのラップでも以外に追走できることがあげられるだろう。さらにあがり5Fがかなり速く58秒台になるのでスピードの持続力が要求されて宝塚とほとんど同じように持久力があり、長く良い脚を使える馬でないと好走できないレースとなっている。


今年もマイル路線は初マイルのツルマルボーイに完勝されるくらいのレベルでデュランダルがいなければそのレベルは低い。古馬でも天皇賞のレベルはさほどではなかったと思うが、タップダンスシチーとの対決だった宝塚記念はレコード決着でもあり3コーナーからタップがまくるというかなりハードなレース。当然そこで好走した馬は天皇賞の条件にも合致する。


ただ、直行組があまりにも多過ぎる。過去の例では掲示板に乗らないような馬は全滅しているので、宝塚で掲示板に乗っている馬に注目


宝塚記念直行組の成績

03 シンボリクリスエス 5着 1着 4 宝塚のみ
03 ツルマルボーイ   2着 2着 2 金鯱2着、大阪3着 春4着
02 エアシャカール   4着 4着 2 金鯱大阪杯2着
01 メイショウドトウ  1着 3着 5 日経賞1着 春2着
90 オグリキャップ   2着 6着 11 安田1着
90 ヤエノムテキ    3着 1着 4 大阪杯3着 日経新春2着
89 フレッシュボイス  2着 11着 5 宝塚のみ

と春に長距離で好走したり天皇賞に出走している馬は全て馬券になている。こうなってくると宝塚の2,3着でとくにシルクフェイマスのほうはタップに先行しながら真っ向勝負での2着というのは大いに評価したい。状態には不満があるが本命とするならやはりこの馬か。

今年の宝塚直行組

2着 シルクフェイマス 日経、京都1着 春3着
3着 リンカーン    阪大1着 春13着
6着 ツルマルボーイ  安田1着 大阪6着



ちなみに昨日まで本命にしようと思っていたのはシェルゲームである。


スタートだけでいえばローエングリンよりも上手い*3。430キロ台の軽量を利用してスピードに乗っていく馬である。前走はローエングリンが相変わらずテンから飛ばしたのにおいていかれるというレース。また、体系的に限界スピードがありそうであがり勝負よりもどちらかというとスタミナで乗りきるタイプだろう。レースセンスがある馬なので距離が伸びて、速いラップを刻むようなレースであがりがかかるような流れになると古馬相手でもタレないレースができそう。スピードについていけないのはローエングリンが息を入れる流れのあがり5F勝負になるので前回よりは条件は合うだろう。ただ、1.1秒も負けている非重賞馬。頭で狙うなどというのは無茶すぎた。それでも、3枠3番とはあまりに絶好枠で外からのローエンに競られることはなく気分良くいって3着に粘るというシーンはありそう。


展開的には先行争いというとなくローエングリンにあっさり逃げを許すだろう。天皇賞の東京2000mというコースはは息を入れるタイミングが非常に難しくできれば逃げたくはないからだ。今年のフローラSあたりでもいつもは逃げるメイショウオスカルですら逃げはしない3番手からの抜けだし。これが天皇賞の必勝パターンである。これに最もはまるのはやはりシルクフェイマス。東京コースでのここ2年*4は鮮やかな追い込みが決まっているのだが、本来はそういうコースではない。枠順しだいだが、ローエングリンは最近はテン3Fを飛ばしたあたりで折り合えるので今回は向こう正面の下りで抑える。おそらく前半5Fが59秒台の後半。


最近のローエングリンの前半ラップ
毎日王冠 35.1-47.5-59.7
札幌記念 35.6-47.8-59.9
宝塚記念 34.3-46.4-58.5
安田記念 33.7-45.6-57.5 逃げメジロマイヤー
マイラC 35.0-46.9-58.4 逃げエースインザレース
中山記念 35.3-46.5-57.6
ここから4コーナーをまわるまで動かないので結局は後半5Fの勝負になるだろう。レースあがりは35秒前半で勝ち馬のあがりが34秒台の前半*5という勝負になるのではないか。

12.6-10.8-11.7-12.1-12.4-12.4-12.2-11.7-11.6-12.0 1:59.0
先行できる上で後半5F勝負という脚を使える馬となると宝塚の上位3頭とアドマイヤグルーヴヒシミラクルナリタセンチュリーだろう。まとめると

1着 シルク ミラクル ゼンノ
2着 シルク ミラクル ゼンノ リンカーン アドグル
3着 シルク ミラクル ゼンノ リンカーン アドグル ナリタ シェル
ここから絞っていこうと思う

*1:ネーハイとかチトセオーとか

*2:98年以来連対なし

*3:毎日王冠参照

*4:01年と03年

*5:たぶん34.2