菊花賞

菊花賞 5-4F勝負


12.8 - 11.9 - 11.3 - 12.4 - 12.0 - 11.9 - 13.3 - 12.8 - 12.8 - 12.9 - 13.5 - 12.3 - 11.8 - 11.7 - 12.3
スタート、ハイアーゲームは出遅れ。枕言葉だ。外枠のコスモバルクのスタートは抜群で行ってしまわれた。はじめはブルートルネードがハナをきろうとする。だが、五十嵐騎手も抑えるつもりがなかったのだろう、観客のステレオに応えて先頭で下りを一気に下る。早過ぎる11.3というラップを踏む。まあ、それはそれで折り合えば良いのだがコスモバルクにとってついてなかったのはこのペースにモエレエルコンドルと軍団員コスモステージがまともについてきたこと。コスモステージの小池騎手は必ず逃げるように言われていたのかどうかわからないが、これではかえってバルクのケツをつっつくような形になった。お目つけ役が軍団員だったのだ。ここが短期逃げの形になっていれば内容も違ってきたのかと思うが先行争いの形になってスタンド前2〜5Fを59.5で走ってしまう。ああ、もうスタンド前ではまともに走れないわけだ。有馬記念に出るかもしれないが、9割がたひっかかっていくと思われる。さて、ここでかなりの貯金をつかったにもかかわらずこの時点で勝ち馬のデルタブルースブルートルネードのもう後ろに楽勝で追走している。他の有力馬というとかなり縦長の馬群の後ろの方で折り合いをつけている。


スタンドを過ぎた5Fでようやく落ちつく。ここではようやくついてきた2騎も下げて走った。ここからが難しい2週目の3コーナー。後方軍団でスタミナに自信のあるオペラシチー、ホオキパウエーブ、ハイアーゲームあたりは動き始める。岩田騎手はなにを考えているのかもう動きはじめていた。下りでギアチャンジしながら加速して前との差を縮める。下り終わると4コーナーでもう追いついてしまった。前半での貯金の差か。ここからは馬体をあわせて突きはなす一方。ホオキパウエーブがばらけた馬群のインをきれいについて伸びてバルクに並ぶこともなく交わす。もう1段のエンジンでバルクがもうひと伸びするがホオキパと離れすぎているため伸びない。デルタブルースの脚色は抜群のままフィニッシュ。オペラシチーはようやく届いて3着。


このレースで強い競馬をしているのはデルタブルースコスモバルクだけであとはほとんどスローペースである。菊花賞らしくなく10着のモエレエルコンドルまでが0.8秒差。ラップ上は5-4F勝負だがラスト4Fが遅い割に道中でも息を入れていてスタミナタイプでなくても走りぬけられたということだろう。それにしても大外枠からの菊花賞制覇となると父となるダンスインザダーク以来。京都外回りになれていない上にこの馬にも1回*1だけの岩田騎手が腕っぷしだけで制覇してしまうくらいだからとんでもない強さである。こういう馬だからできれば追えないスマートな騎乗をする岡部騎手よりも岩田騎手が乗ったほうが良い。この力ならば古馬相手でも通用するはず。ジャパンカップでも有馬記念でも良い。どっていもすでに経験しているコース。まだ叩き3戦目なんだろ、男の中の男…出てこいや!


1着 デルタブルース 岩田 0−0−0−1
前走から+10キロだが下見の気配が抜群。528キロ馬の菊花賞制覇。ギアチェンジさえまともにいけば止まらない強心臓。完勝である。小回りコースでは力が最大限には出ないだろう。小回りよりも広いコース、多頭数よりも少頭数、団子レースよりもハイペース。これからコスモバルクと一緒に出走する機会は多そうだが同時に出走すればそれがすべて叶う。東京・京都のチャンピオンコースでこそ結果が出せそうだ。ジャパンカップ天皇賞・春宝塚記念の本命に決定。ただし、次はマークされる立場でどう騎乗するかという問題が出てくる。


古馬相手に挑戦する騎手は…誰?


2着 ホオキパウエーブ 横山典 テン乗り
横山は本当に凄え騎手だなーと改めて考えさせられた次第。これで菊花賞は1−2−1−4となった。もはや武豊よりも買えるのはこっちか。また、これだけいい脚を使えながら最後はもう一度盛り返されたりするあたりからして勝てない馬なのかもしれない。


3着 オペラシチー 佐藤哲 2−0−0−1
グリーングラス級なら下りで外からまくって先頭にまでおいつくという芸当をやってのけてもいいと思うがさすがにそれは難しかったようだ。最後コスモバルクを交わせたのはおまけ。まだ下積みが必要だ。どうせタップとローテーションがかぶるんだからまた準OPからやっていくべし。ただ、準OPの流れはこの馬には合わないので京都記念とか日経新春杯あたりの重賞が良い。


4着 コスモバルク 五十嵐 4−1−0−1
気配が抜群に抜けていてやっぱり勝つのかと思ったのだが、残念なレースになってしまった。本格的に強くなるのは気性が良くなってからか。田部調教師には悪いが、中央に転厩して中央の施設・ノウハウを使って調教すればこの気性もかなり良くなって芝ダート距離関係ないオールラウンダーな凄い馬になれると思う。


5着 ストラタジェム 福永 2−1−0−2

*1:未勝利から500万特別にこじつけた梅花賞