マイルCSに向けての天皇賞・秋

新札って競馬場やWINSでもう使えるのだろうか。そういえば新価の自動払い戻し機ってJRAではかなり速い段階で対応しているような気がする。


さて、天皇賞でちゃんと走った馬はいずれ新札の樋口一葉福沢諭吉になっていくだろう。きっちり回顧していく必要がある。



馬場状態


軽い芝状態でやや重発表ながら時計が出る。ミスプロ系サンデー系の活躍が目立った*1。コースがわりもあってか内外の馬場差がかなり大きい。詳しくいうと元の内枠あたりのラインが一番伸びず、内で貯めた馬の瞬発力がかなり生きる状態。あと、外もかなり伸びない馬場で日曜に外をまわした馬はなにもできていなかった。TV解説の馬場造園課の話によると「やや重発表だが良馬場のようなコンディション」とのこと。


  ←やや重→←良→
外-------------------内
こんな感じのコンディションだったのだろう*2。1〜3、5着は道中良馬場のコースを通った馬。今回、7,8枠で外外をまわされた馬はかなりつらかった。ナリタセンチュリーも道中は後方2番手をテレグノシスの内側で追走していたのに決勝戦でともに外にまわすという馬場が読めていない乗り方。

ペース


シェルゲームのスタートのタイミングはいつものように相当に上手い。それを、当然のようにローエングリンが交わしていって先行。ついにテン3F35.8まで落ちつかせることができた。5F通過が1:00.1。2コーナー前の坂を登るとここで岡部が藤沢軍団を生かすためにペースをあげ、横山がひきはなしにかかる。ゼンノロブロイの得意な5F勝負にするためだ。4F勝負ではこのローエングリンを残す可能性というものを考えたのだろう。これでは最後方からはいくら脚をつかっても追いつけない。
12.6 - 11.4 - 11.8 - 12.2 - 12.1 - 11.8 - 11.9 - 11.4 - 11.4 - 12.3



1着 ゼンノロブロイ ペリエ
完璧な仕上がりではないと思ったが。今回の勝因はペリエ。スタートを遅らせて内内に入りしっかりと武をマーク。「豊さんはペースを間違えないのでついていけばいいと思った」という名インタビューがあるが、そのとうりにアドマイヤグルーヴをがっちりマークして4コーナーでは軽くインに封じ込めた上に自分は馬群を空けて伸びるという競馬。馬体をあわせなかったおかげで2,3着馬と決勝戦で競り合わずにすみ、抜け出したのもゴール手前だったので伸び切れた。つけた着差は1馬身。ジャパンカップではデルタブルースとの対決。強烈な持久力と粘りをもつ馬に対応できるか怪しい。
こんなんがトップじゃ*3ジャパンカップの日本馬はやばいな。豪州のG13勝馬が出てきたら*4普通に勝ちそう。2着デルタで3着ゼンノか


2着 ダンスインザムード ルメール
今回もパドックでちゃかちゃかしていたように気性的に脆い部分がたっぷりある。それでも持ち前の先行力と内枠を利用して、逃げる2頭に対して余裕の3番手キープ。横山典弘が完璧なラップを刻んだおかげで2000mを粘り切れた。それにしても坂から1頭抜け出した形になって、最後遊んでるというとんでもない競馬。桜花賞では後ろから何もこなかったが、今回はゼンノロブロイがきっちり差し切り。もう二度と人気がなくなることはないんだろう。スタンド前スタートなどでは手を出さないようにしたい。


3着 アドマイヤグルーヴ 武豊
完璧な仕上げは陣営はエリ女ではなく本気でこっち狙いだったということがわかる。ローズSやマーメイドSのようにぴったり464キロ仕上げとはさすがにまいった。だが、京都大賞典の0.7秒差から斤量の2キロ分をつめて0.4秒差になっただけ。あれほど完璧な競馬をしながらダンスインザムードには完敗に近い。やっぱり牡馬相手では買えないという世間の評価は正しいかも。左まわりが駄目とか遠征が駄目とか理由はあるかもしれないが、正直がっかりした。次はエリザベス女王杯に強行するつもりらしいがメイショウバトラーに勝てるだろうか?


5着 ローエングリン 横山典弘
いよいよ落ちつき払って自由なペースを作れる状態に近くなってきた。去年の天皇賞・秋でおかしくなった気性が1年間の調教と横山の逃げ強制でようやくここまで辿りついた。敗因は時計の出る芝のせいか。この馬は3コーナーからペースをあげさせられたのはつらかったがそれでもこのレベルでは勝ち馬にも0.6秒しか離させない。京都外回り1600mを逃げきるのはかなりしんどいが、単逃げには優しいコース。有力馬が後ろに集まりそう*5なので楽なレースはできるだろう。


6着 ナリタセンチュリー 田島
ペースは遅目だったにもかかわらずの後方追走は仕方ない。ただ、4コーナーでの動きは非常に問題を感じる。京都大賞典のイメージで外を回しても差しきれると感じたのだろう。今回はそれがはまるペースではなかった。それでいて勝ち馬より0.1秒遅いあがりで、0.7秒までつめているのは展開さえ向けばいつでも差し切れることにつながる。初東京では上等のレースだ。もっと外差しに向く展開、逃げ争いがあるような展開の手助けがあれば再度逆転もある。だが、そうでない場合は騎手からしてもG1では頭では買えない。天皇賞などで3着付けにしてみたい。


7着 ヴィータローザ 小牧太
1コーナーをまともに回れず道中を最後方で追走。4コーナー時点でも最後方にいて前が固まってまったく動けない状況。ようやく動けたのはもう坂途中。そこから強烈な脚を使って後方集団をぶったぎり最先着。感触はつかんだと思うので次走はジャパンカップでもなんでも良いから最終的に有馬を目指して欲しい。


8着 トーセンダンディ 江田照
決め手がない馬が普通に追走して、勝ち馬と1.4秒差。去年の休みあけでのシンボリクリスエスとの着差1.2秒と比べるとなんかインパクトは薄く感じる。馬場が軽すぎたのだろう。京阪杯でよろしく


9着 バランスオブゲーム 田中勝
地力と仕上がりからすると3〜5着に入ってもよかったと思うし10Rで勝春が真中をつきぬけていたことを考えるともっと良い位置どりでレースをするかと思ったが、2コーナーで外を回り後ろに下げたのに内には入れなかった時点で勝負は決着。ノーカウントでも良いレース。


11着 テレグノシス 勝浦
ペースは遅目だったにもかかわらずの後方追走は仕方ない。だが、ナリタの外側というのはまずかった。4コーナーでナリタが外にいこうとするさらにその外を外をという競馬では話にならない。毎日王冠のイメージで外を回しても差しきれると感じたのだろう。距離が伸びていいタイプでもないのにそれは無理な注文。マイルCSの頃の京都は外回りの下りを利用しながら加速して差しきるには絶好の舞台となっているだろう。デュランダルとの差しあい、せめぎあいをどう制するか。できれば共倒れして欲しいものだ。



ふー、とりあえずここまで。あとは順次つけたします。

*1:逆にナスルーラとかノーザンダンサーはだめだった。府中のトニービンという効果もなし

*2:こんな馬場ありかよ

*3:真のトップはデルタブルースだが

*4:たぶん出てくるはず

*5:テレグ、タマモ、デュランダル