マイルチャンピオンシップ

なかなか面白い枠


人気の差し、追い込み馬がズラッと内に揃い。そのなかでもラクティが一番内の枠。ラクティの本国での競馬を見ても、ギャラントアローが作るペースの1600mを余裕で追走できるタイプではなさそうだ。ヨーロッパの馬の場合よっぽどの逃げ馬でない限り日本の1600mを先行することはできない。


前に行くのはギャラントアロー。短距離を中心に使っている馬と天皇賞組とではテンにかかるスピードが違う。まず、ハナを切るだろう。ギャラントアローが自由に作るペースになるだろう。だが、それは先行に有利というわけではない。ギャラントアローの逃げ方は相手に競られていないのに思いきり飛ばしていく逃げ方。しかも、そのスピードにようやくついていけそうなのが11番枠のメイショウボーラーだけ。となるとギャラントアローが単騎逃げ。メイショウボーラー天皇賞で先行に味をしめたルメールダンスインザムードも同じく2番手という形になり結局馬群のペースはこの2頭次第という形になりそうだ。このときダンスインザムードが折り合うかどうかはかなり重要でギャラントアローの速さを知らないルメールがついて行けばハイペースが完成する。このときギャラントアローの回りで競馬をしている馬は坂を登るまでにかなりきついラップを踏まされ、下りからの余力はほとんどない。決着はいかに余力を残すかにかかる。



去年のマイルCS


ギャラントアローが逃げてマグナーテンが追走する高速ペース。軽く絶好調のギャラントアローだけが前では粘り後続も脚を貯めた馬だけが伸びてくるという実力が出たレース。
12.4-10.7-11.3-11.6-11.6-11.2-12.1-12.4



迷走


去年は春全休からクイーンCでオースミハルカに負け、毎日王冠ではかかって先頭の競馬で7着。陣営の秋への期待が打ち砕かれた。少なくとも古馬王道路線で遠征競馬を3つこなすというのは難しいことがその現状で明らかだった。そこで、選択したのが前年度に制覇したエリザベス女王杯ではなくマイル路線への転向。ギャラントアローのペースではさすがのファインモーションも初マイルとあってか余裕で追走することはできず。半分おりあって2着。これが次の目標を決めさせた。


マイルで牡馬に勝つ


条件をマイルに絞り、阪神牝馬特別ではスマイルトゥモローのペースのなか1.4倍の断然人気で堂々と自分から動いて横綱競馬での完勝。安田記念はぶっつけでの挑戦。1枠1番という枠はきつかった。雨に何も引き出しから出せず13着


北海道へ


夏にファインモーションは北海道へ帰ってきた。その庭で牡馬相手に57キロを背負いファインモーションがやる競馬はかつてのように先行力にまかせた乗り方ではなくより馬群のなかでの競馬に強くするために武豊がより強い馬に成長させるためにあえて差す競馬。当然、直線の短い北海道において人気を背負い他馬のマークを受けながら差すというのは難しい。しかし、ファインモーションは反応よく進出した。函館記念では離れた形になった軽量クラフトワークに差されたものの札幌記念ではローエングリンの平均ペースのなかで粘るバランスオブゲームをゴール前できっちりかわす競馬。秋への見通しは立った。


2者択一


武豊アドマイヤグルーヴと天秤にかけて揺らいだ。だが、伊藤雄二調教師は短距離王者の出るマイルCSにあえて挑む。武豊がここまで育てたからこそ、武豊を乗せて必ず勝ちが欲しい。ならば勝っていないマイルCSへと春の方針を変える必要はない。


強さについていまさら語ることは少ないかもしれないファインモーションだが、その強さは心肺機能にある。心臓が異常に強いため、京都外回りの下りを全力で下る競馬が実現する。それも、道中でのタメが必要がない競馬をしている。まわりにファインモーションより速そうな先行馬がいないことで自由な競馬をできることからしても文句なしに本命。



去年よりも臨戦過程が抜群にいいのはテレグノシスも同じこと。勝浦騎手が乗れずデムーロに乗り変わって7着の安田記念からぶっつけで挑んだ去年、春に過酷なローテーションをこなしたあとに富士S4着から挑んだ3歳時と比較すると今年のテレグノシス

京王杯SC 58 2着 稍
安田記念 58 2着 稍
毎日王冠 58 1着 稍
天皇賞秋 58 11着 稍
全て稍重の競馬*1。実はテレグノシスはかなりの雨男*2で出走したなかで、晴の良馬場で競馬ができたのは19戦中6回のみ。その成績は以下

さざんか 3着
若竹賞  2着
スプリング2
NHKマイル 1着
マイルCS4着
安田記念 7着 デムーロ
特筆するほど良いわけではないが、そこにはタニノギムレットを破りG1をとった*3NHKマイル。天皇賞ではナリタセンチュリーとともに外へ回さざるをえなかった。だが、毎日王冠では58キロを背負い必勝状態のローエングリンをきっちり差し切った。前残りは許さない。明日はあの脚を最高の状態で使える馬場が待っている。追い込みに乗せたら天才横山騎手は思いきりよく2,3着を狙うだろう。

明日はテレグノシスによりデュランダルの脚はかなり封じ込められるだろう。もちろんテレグノシスにもおなじことが言える。去年大外を差し切っているデュランダルだからこそ無理せずに外へ持ち出して勝ちにいくだろう。そうなったときに去年と同じ脚を使ったとしても、成長しているファインモーションをとらえることはない。

バランスオブゲームは勝ち距離が1000、1400、1800、2000、2200とバラバラでどこが適鞍かつかみにくい馬である。菊花賞でも5着で朝日杯からクラシック皆勤賞。父が同じフサイチコンコルドオースミハルカと同じようにG1前のレースに強い*4。だが、G1のみを見ていくと朝日杯4着,マイルCS4着,安田記念3着と他の条件に比べるとマイル戦の善戦が目立つ。この原因は馬よりもむしろ騎手のほうにあると考えている。レースセンスの良い馬だけに田中勝春騎手が得意な条件に強いのだろう。今回はギャラントアローには勝てるが、ファイン、テレグ、デュランダルに負けるという着順か。

今回は来週東京に行く資金を作るために、3連単ではなく馬単で当てにいく。


ファインモーション
テレグノシス
バランスオブゲーム
デュランダル
ラクティ
馬単1着流し



おまけ


フォルクローレはここでは馬券にならないし掲示板にも乗らないが、10着には入れる。スピードのある脚は来年の牝馬限定戦を席巻するだろう。

*1:このくらいの馬場は合うと思うけど

*2:雨馬?

*3:まあ、不利もあったから本当に獲ったという表現でいいだろう

*4:というよりもこちらの場合はそれほど強い馬に勝っているわけではないが