ジャパンカップ その1 〜ジャパンカップは日本馬有利なのか?〜

時代は変わった。


去年はBCターフ馬のジョハーをはじめとしてG1を3勝していて香港ヴァーズの勝ち馬でもあったアンジュガブリエル、同じくG1を3勝のデノン、イズリントン前年2着のサラファンとかなりの好メンバーだった。それが、結果として掲示板を日本馬が独占。しかも、5着がアクティブバイオときたものだ。


だが、それは日本馬のレベルが上がったことが原因というよりも日本の競馬が特殊化高速化していることにつきる。諸外国の競馬において2400mを走るのにラスト3Fが35秒を切るようなことはありえない*1ジャパンカップターフの過去をふりかえると前半でペースが落ちついて、あがりの勝負*2になると外国馬は全く動けない。外国馬が馬券になる条件は速く息を入れないペースにある。こういうレースを大得意とするタップダンスシチーですらも凱旋門賞の地獄ラップには直線半ばでちぎられてしまったように真のスタミナを持ち、それを最大限に生かしてくるのが外国馬である。


だからこそ、ジャパンカップにおいてはしっかりした逃げ馬がいるのかが外国馬の取捨において重要となってくる。日本馬でもこの古馬路線においてちゃんとした逃げ馬がでてくるということは珍しくはない。大抵は即席の逃げ馬が誕生したりする。かつてはステイゴールドが逃げたりもした。今年の登録馬を見たところ、逃げた経験があったのはデルタブルーストーセンダンディ


そして



マグナーテン


おそらく岡部騎手が乗る。マグナーテンといえば中山で行なわれたジャパンカップで軽快に逃げてペースを作り、3歳のシンボリクリスエスを総大将とした日本勢がふるわず外国馬にワンツーされた年の逃げ馬である。彼が逃げるならばラップは厳しいものになるのは確実。スローのあがり勝負という日本馬向けのペースにはなりにくい。だが、今年はもっと大きな爆弾を抱える。



コスモバルク


ルメール騎手を乗せるらしいのだが、それでもスタンド前発走の東京2400m。ゲートを出る段階で折り合うのはきつそうだ。おそらくマグナーテンとびかかるような形になるがマグナーテンの速さにはさすがについていかずに2番手という競馬になる。ここで前のペースがどんどんあがりズブズブのスタミナ勝負が完成。


ということで、今年は日本馬よりも外国勢が優勢と見る。なんせ1番手が典型的なサンデーのゼンノロブロイ。とても速いラップを使いこなせるとは思えない。迎え撃つ日本馬の1番手は当然スタミナ勝負自慢ヒシミラクル*3。2番手がデルタブルースだ。明日はターフの外国馬診断

*1:ダンシングブレーヴクラスの怪物以外

*2:トニービンをはじめとしたグレイソヴリン系が得意とする

*3:なんでブックの写真パドックに乗ってないんだよ