今週の婆 根岸S/京都牝馬S/東京新聞杯 〜凍結防止剤について〜


東京競馬場


芝の状態 : 今開催はDコースを使用します。馬場全面をシートで養生していたため緑色を維持した状態です。


中間の作業内容
(1)芝コース
24日(月)馬場全面のシートを撤去しました。
開催日の草丈は洋芝約10〜14cm・野芝約4〜6cmの予定です。

(2)ダートコース
24日(月)〜28日(金)コース全面において砂厚調整を実施しました。
開催日の砂厚は約8cmです。
凍結対策のため凍結防止剤を散布しました
乾燥が著しい場合は競走馬の事故防止のため散水を実施します。


(3)障害コース
開催日の草丈は、洋芝6〜8cm、野芝4〜6cmの予定です。

※冬季の競馬開催につき、開催日前日に日陰部等へ凍結防止用のシート養生を行う場合があります。

競馬場は開けた空間であるため風通し&日照りが抜群。乾燥するのに絶好の場所である。このため、ダートコースは晴れの日が続いてダートが乾燥した場合は散水することで、ダートを湿らせる。砂塵によって*1クッション砂(開催日の砂厚は約8cmです。)←こういう表記、が散るのを避けたり安全性を考えた結果。だが、冬場は0度近くになることも多く散水もできない*2。そこで登場するのが塩化ナトリウムとか塩化カルシウムなどの塩化物、凍結防止剤。これをまくことで凝固点をさげ*3、凍結を防止する。名前のまんま

塩化物は凝固点を下げるので凝固しにくくなる。
  ↓
クッション砂の凍結を防ぐと同時に摩擦係数があがる
  ↓
噛みやすい馬場になる
  ↓
高トルク型の馬が強え((ブロードアピールとか))
  ↓
しかも、時計がかなり早くなる
というような感じになる。まあ、これは推測であって保水性でどうのこうのとか述べる本とかもあるが、結局のところは摩擦があがって噛みやすいというところだと思っている。どちらにしても時計の出やすい馬場であるため持ち時計は重要。
■ 余談 ■
塩化物は銅とか反応性の高い金属と結合すると塩素を出すのであまりこういう系統の凍結防止剤を使うのは環境面からするとよくない。ダートコースに確実にまく分には一向にかまわないわけだが。

京都競馬場


芝の状態 : 引き続きCコースを使用します。馬場の傷みは少なく、全体的に良好な状態です。


中間の作業内容
(1)芝コース
25日(火)芝の生育管理のため散水を実施しました。
開催日の草丈は洋芝約10〜14cm、野芝約6〜8cmの予定です。

(2)ダートコース
26日(水)〜28日(金)コース全面において砂厚調整を実施しました。
開催日の砂厚は約8cmです。
乾燥が著しい場合には、競走馬の事故防止のため散水を実施する場合があります。


(3)障害コース
25日(火)芝の生育管理のため散水を実施しました。
開催日の草丈は洋芝約8〜12cm、野芝約6〜8cmの予定です。

こちらは先週まいてるので、今週はなし。

小倉競馬場


芝の状態 : 今週までAコース(内柵を最内に設置)を使用します。
3〜4コーナーの内柵沿い等で傷みが見られますが、全体的には良好な状態をキープしています。


中間の作業内容
(1)芝コース
今週は芝刈りを行っていません。
開催日の草丈は洋芝が約10〜14cm、野芝が約6〜8cmの予定です。

(2)ダートコース
24日(月)〜28日(金)コース全面で砂厚調整を実施しました。
27日(木)、28日(金)凍結防止剤を散布しました。

クッション砂の砂厚は約8.5cmです。

*1:http://www.equinst.go.jp/JP/kenkyuu/nenpou.html

*2:凝固してしまうからね

*3:混合物の凝固点は単体の凝固点よりも下がる。これは凝固点降下といってこれは混合物のエントロピーが単体より高いためおこる現象。簡単に説明すると水(単体)の凝固は○○というように分子が結合していくことによっておこるが、塩があることによって水は大きく凝固するのが困難になる。それは、○●○というように水が凝固する際に塩を抱え込む形になるからである。→参照:凝固点降下 http://www2.yamamura.ac.jp/chemistry/chapter2/lecture8/lect2081.html このページを読めば、高校化学の雰囲気でもわかると思います。大学レベルで知りたい人は熱力学の教科書でも読んでください。