桜花賞 〜さあ20世紀の忘れものを獲りにいこうか〜

昨日、更新できないと言いながらも隙を見てこうやって更新しています。



魔の桜花賞ペースという言葉が今でも使われている。

しかし、近年の桜花賞は10年前と比べると言うほど先行争いは激化しない。10年前は12.2−11.1−11.2みたいな前半3Fのラップを刻んで3コーナーまで強力な先行勝負をしていたが、最近は向こう正面でペースが落ちついたとみせたところでペースアップというパターンが多い。血統からするとサンデー産駒やサンデー孫の活躍が目だってきている。実はこれは最近のことでもなくノーザンダンサー、とくにリファールが強かった時代に桜花賞の穴を明けていたのもサンデーだ。
勝ち馬はうまくペースに乗ることができた先行力のある馬で、2、3着には差し馬がからんできているというのが特徴として見られる。今日は差し馬にスポットライトを当ててみよう。



先行力でリードしている馬
アンブロワーズ
エイシンテンダー
シーザリオ

これまで4コーナーから動き、速いあがりをつかった馬。☆はあがり最速

チューリップ賞
1着 エイシンテンダー 34.9 4-4-3  サンデー孫
2着 アドマイヤメガミ☆34.7 15-14-14 エルコン×サンデー
アドマイヤメガミはうまく内をついた印象。エイシンテンダーに関しては自分でペースを超えるスピードに乗っていって最後まで足が止まっていないあたりを見るとこの距離の適正は相当高いものを持っていると考えられる。

フィリーズレビュー ☆34.2 ディアデラノビア
1着 ラインクラフト 34.3 9-9 エンドスィープ×サンデー
3着 エアメサイア  34.7 6-6 サンデー × テースト
ラインクラフトが外からまとめて差し。

阪神JF
1着 ショウナンパントル☆34.4 14-12-11 サンデー × サドラー
7着 ライラプス     34.6 14-14-12 フレンチ × サンデー
ショウナンパントルは前方がクリアになるたびに加速していっている。最後は3頭あわせの中心になったことが有利にはたらいた面もあるが、競り勝てるだけの余力があるということ。

フラワーC
1着 シーザリオ ☆34.4 3-2-3-2 スペシャル × 
スタート抜群、楽に追走して早めに抜け出しての勝利。この相手とはレベルが違う。スタートセンスと若竹賞でのコスモプロデュースのマクリにも動じずに最後まで足が使えるというレースならばマイルになっても関係ない。

アネモネS
1着 ペニーホイッスル 35.8 4-4-5
2着 マイネコンテッサ☆35.7 11-6-5
3着 アンブロワーズ  35.9 6-6-9
このなかで特筆したいのはチューリップ賞で最速あがりをマークしたアドマイヤメガミ。他のレースも3/4があがり最速、もう1レースはあがり2位という確実に追い込んでくる脚がある。ただし、このコースで池添騎手は去年スイープトウショウでの2回の失敗で追い込みの実績がないところは気になる。
そういう面を見るとやはり阪神JFでみごとな追い込みを決め、新潟2歳Sではマイネルレコルトに迫る差し脚を見せているショウナンパントルが3着に飛び込む馬として有力な所。速いだけでなく4コーナーからの反応が良い点もいかにもといったところ。
ラインクラフトに関してはあがりは速いが、4コーナーでの動き、上位に進出していくときに使える脚がなく直線勝負を行なっているレースが目立つ。これは、長い距離で良い脚を使えないことを示している。

さて、ショウナンパントルに関する話をもう少し。
この馬がクイーンCを使ったのはなぜか?
G1馬が賞金を稼ぐ必要もないのに56キロを背負って雨の中で戦わなければならないという厳しい条件だった*1。にもかかわらず、なぜこのレースを使ったのか。それはショウナンパントルという馬の特性にあるこの馬、デビューから馬体重が436→446→440→446→458とバラバラ。成長過程でもあり、筋肉の構成が変わり易い馬なのだろう。こういう馬はえてして使い減りしやすく、レース間隔はあまりつめこみたくない。そう、だからこそ陣営は阪神JFの前にファンタジーなどを使わずデイリー杯を選んで十分に間隔を明けて本番に臨んでいる。
・デイリー杯から阪神JFまで中6週
そこでだ、クイーンCを使ったのは他でもない。桜花賞を取るために必要なローテーションだったからである。普通はサンデー×サドラーという配合、堅実な差し脚。それはまさにオークス向きであり陣営もオークスを狙ったローテーションを組むというようなことを考えるかもしれない。
しかし、ことショウナンパントル陣営においては桜花賞は絶対に欲しいタイトル。20世紀にメジロドーベルで忘れてきた勲章なのだ…
・なぜクイーンCか
これはズバリ桜花賞を目標として逆算したローテーションだ。そう、クイーンCから桜花賞は中6週。これはズバリ阪神JFを制したローテーションと同じなのである。前走は小柄な馬が体重を調整できない状態で56キロ、雨、不利な外枠という条件で負けた。ギッチリ美浦で乗り込んだショウナンパントル。今度こそ桜を咲かせる。キョウエイマーチのように連勝してきている先行馬がいる。望むところだ。今度こそまとめてブッちぎる。

*1:もちろん雨は予定外だろうが