デュランダルの3連覇になるように思えないマイルCS
3年間、同じローテーションにして死角なし。のように思われるデュランダルだが今年は様々な面で苦戦すると思う。まず、1つめはスプリンターズSで1.7.5という時計を出してしまったこと。次にマイルの持ち時計が1分33秒しかないこと。続いて、今の京都は例年ほど外が差せるというほどの馬場でもないこと。で、最も重要なのが今年の展開は速くなりそうにもないことである。
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まずはここ5年のラップを見て頂きたい。
マイルCSはこの2年はスタートのよくない先行馬のギャラントアローがいたためそうそうペースが下がることがなかった。テンから遅いラップを踏んだのは2002年のみ。そして、唯一先行馬が勝利したのがこの年である。
2005 12.1-23.3-34.9-46.6-58.4-70.1-81.6-93.0 デュランダル 59.3-33.7
2004 12.4-23.1-34.4-46.0-57.6-68.8-80.9-93.3 デュランダル 59.8-33.5
2003 12.3-22.9-34.2-46.0-57.8-69.4-80.9-92.8 トウカイポイント58.5-34.3
2002 12.5-23.5-35.4-47.3-58.8-70.4-81.8-93.2 ゼンノエルシド 59.0-34.2
2001 12.1-22.7-34.0-45.3-56.9-68.7-80.9-92.6 アグネスデジタル58.3-34.3
今年は前にいきそうなのはローエングリン、ビッグプラネット、タニノマティーニ。以上。このうち2頭はいずれも前に馬を置いて2番手というポジションでベストパフォーマンスを出しており、先行争いが激化することはない。また、ローエングリン、タニノマティーニのスタートセンスが抜群であるため他馬から無理にスピードをあげることなくあっさり隊列が作れるだろう。
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ローエングリンのペース
なかでもやはり先手をとるのは横山と須貝を比較した場合、横山ということになると思う。タニノマティーニはベストポジションをとりにいく。ところで、ローエングリンというと狂気の逃げというイメージがあるが、それは後藤騎手に限ったことである。横山騎手はローエングリンに乗ったときは決してオーバーペースで逃げることはない。まずは後藤騎手の前半5Fをみていってみよう。
後藤 2−2−1−3
とにかくテンから飛ばしまくる。時計はめちゃくちゃに速いがもたない。若い頃はこの策がハマっていたが、G1のマイルで結果を出すにはあまりにきついペースだった。
2005
安田記念 57.4-36.7 ブービー
2003
天皇賞 56.9-38.8 かっとび暴走事件
安田記念 57.9-34.3 3着
マイラーズ56.8-35.1 1着
中山記念 59.5-36.3 1着
東京新聞杯57.1-35.2 2着
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続いて横山騎手
横山 3−1−2−4
マイルで59秒、2000mでは1分くらいを使って大事に逃げる。時計は速くならないが、安定した成績を残せる。これが、今のローエングリンの正しいスタイルでマイラーズCの勝ち方がベストだろう。
2005
マイラーズ59.3-34.2 1着
2004
天皇賞 60.1-35.7 5着
毎日王冠 59.7-34.5 2着
札幌記念 59.9-36.5 3着
宝塚記念 58.5- 10着 タップが向こう正面からやりやがったため
安田記念 57.8-35.2 5着 メジロマイヤーが逃げ
宝塚記念 60.0-35.1 3着
駒草賞 59.4-35.4 1着
若草S 61.3-35.4 1着
スプリング58.9-36.2 6着
今回はG1だから、さすがに59秒後半に落とすのは難しい。おそらく58秒後半。悪くみつもって58.5と予想しておく。
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さて、このペースで有力馬はどんな位置どりにあるだろうか。スプリンターズSのときに説明したが、逃げ馬と追い込み馬では馬群の関係でどうしても1秒差がつく。
デュランダルのパフォーマンスは3〜4コーナーで邪魔が入らない場合、最高で59.5→33.5。例年からしてもこの時計が限界である。普通だと、この枠なら59.5ではついてこれない。13頭分、1.3は離されるだろう。とすると、59.8→33.5の1.33.3というのがデュランダルのタイムというわけだ。つまり、デュランダルに先着できるのはこのパフォーマンスを超えることができる馬ということになる。
ローエングリン 58.5
タニノマティーニ 58.6
ラインクラフト 58.8
ダイワメジャー 58.8
ダンスインザムード58.9
デュランダル 59.5
サイドワインダー 59.5
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候補をあげてみる
まずは、ラインクラフト
この2戦のマイルのタイムではデュランダルには先着できない。ただ、京都でパフォーマンスを伸ばすタイプでもあるてめ、斤量差をいかしてどれだけやれるか。今のラインクラフトなら京都で58.8-34.4を出すのはさほど難しくはないと思う。1着
NHKマイル60.0-33.6 1.33.6
桜花賞 58.8-34.7 1.33.5
去年のマイルCSはルメール騎手の最高パフォーマンス。もちろん同等の捌きを使えれば、58.9-34.4 1.33.3が出るのだろうけど、北村騎手に京都でそれを望むのは酷ではないか。
マイルCS 58.9-34.4 1.33.3
桜花賞 59.4-34.2 1.33.6
安田とダービー卿のようなレースではない。ここの注目は外差し馬場を粘りきった関屋記念。もちろん、京都で33.6なんて脚が使えるとは思わないが58.8-34.5でも十分デュランダルをしのぎ切れる範囲。さらに、鞍上ルメールが後押しする。先行馬を操ることに関してはルメールは外国騎手の中でトップクラス。というより、トップだと思っている。去年、記憶に新しいのがコスモバルク、ダンスインザムードという荒馬を操って2着に持ってきた好騎乗。
関屋記念 58.8-33.6
安田記念 57.8-35.0
ダービー卿 57.7-34.5
富士S 58.5-34.5
ローエングリンについては先のペースを見てもわかるように58.5-34.5くらいでまとめることは難しくもなんともない。
今までに勝った重賞は中山記念とマイラーズカップ、2着を入れても東京新聞杯、毎日王冠、そしてムーンランドロンシャン。全て1800以下のレースなのである。それなのに、ローエングリンのG1出走歴を見てみると全12レース中半分の6レースが2000m以上のG1。
富士Sをザ石で回避したことが計算外だったが、それ以外は文句なし。
2002
宝塚記念 2200 3着横山
菊花賞 3000 16着岡部
2003
安田記念 1600 3着後藤
Jマロワ 1600 10着後藤
Mロンシ 1600 2着後藤
天皇賞 2000 13着後藤
香港マイル1600 3着デザーモ
2004
安田記念 1600 5着横山
宝塚記念 2200 10着横山
天皇賞 2000 5着横山
JCダート2100 13着横山
2005
安田記念 1600 17着後藤
スローの差しという条件だけなら、この馬の持っているポテンシャルは十分G1馬と渡りあえるものである。それを証明しているのが去年の京王杯だとか東京新聞杯。今年は富士Sを勝っていなければ何もなかったと思うが、あの展開を前で追走してきっちり差し切れたのは非常に大きい。そして、ローエングリンの真後ろがとれそうな枠が最高。4回目のG1挑戦は勝春の大きな仕事になるかもしれない。
富士S 58.9-34.0
サイドワインダーは関屋記念があるのだが、新潟というのはとてつもないあがりが出るコースだからそのまま信用はできない。デュランダルと同じ位置からデュランダル以上の脚を使うのは難しい。ハットトリックはそれ以上に脚がない。アドマイヤマックスもスローマイルでの好走経験がなく厳しい。
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買い目
にデュランダルをしのぎ切るチャンスがあり、ダンスインザムードとタニノマティーニは鞍上がありえない騎乗をすることができたらデュランダルの前にいる可能性もある。ただ、2頭ともに中枠で非常に捌くのが難しい。ココは乗りこなせないのではないかと思う。
ローエングリン 横山
ウインラディウス 田中
ダイワメジャー ルメール
ラインクラフト 福永
まずはデュランダルの2着づけ、3着づけという馬券がいるだろう。
馬単4点 500円づつ
1着 ローエン ウイン ダイワ ライン
2着 デュランダル
3連単12点 100円づつ
1着 ローエン ウイン ダイワ ライン
2着 デュランダル
3着 ローエン ウイン ダイワ ライン
3連単12点 100円づつ
1着 ローエン ウイン ダイワ ライン
2着 ローエン ウイン ダイワ ライン
3着 デュランダル
これに加えて4頭中3頭で決まるというデュランダルぶっとび馬券を用意
3連複BOX4点(ローエン ウイン ダイワ ライン)200円づつ
これはいい馬券が組みたてられた。計5200円で勝負してみたい。