今、あることが正しく見えなくても

←この字がどうしても正しい字に見えない。確かにパソコン上で見るとこの字は「笑い」なのだ。だが、自分で書いてみるとうにも自分の字が正しくないように見える。丁寧に書けばかくほどにそう見えてくる。これは俺の字の書き方が悪いのだ。今まではこういう書き方で正しいという風に認識していたが、これは伝わる字の書き方ではない。バランスがわからない。何が悪いのか。丁寧に活字印刷したものをなぞってみた。すると自分の脳でイメージする「笑」という感じ(漢字)は武冠(ふざけんなIME)を内側にはねていることに気づいた。ためしに外にはねてみる。


なんとベスト。書きにくいけど、意識している字とかなり近くなった。しかし美しくはない。これはたぶん活字病の一種で、本当に美しい字は武冠を内側にははねるものであったかもしれないのに、本やパソコン。とくにありふれる(笑を見続けることによって自分のなかのイメージでパソコン側がおしかったのだろう。それはおそらくとっくの昔に起っていたことなのかもしれないんだけど、実際字にしてみたのが今日だったというだけ。笑いという字を長らく手で書かず、一方パソコンでは使い続けたのがこの結果である。


こういうのはたぶんなんらかの病名を偉い人がつけているのだと思うが、現代病の一種かもしれない。字がイメージと違う分には対して問題ないが、長く自分で持っていた価値感を覆すことができるのだなと漢字た。思えば字が汚くなった気がする。ここ数年は数式を扱うとき以外の文字を扱うときは全てパソコンでこなしてしまおうとする習慣があった気がする。たまには漢字を書こう