出たら出たなりに行く 有馬記念も終わった

本来挑戦する側の立場の馬がチャンピオンとして迎えられるとどうなるかというのが結果にでた有馬記念だったように思う。コーナー6回の有馬だからもう少し前というのもあるのかなとも思ったけど、最後方から。まあ、これはタップの爆逃げをシミュレーションしてのもものでもあるんだろう。あとづけで言うなら、タップ*1とハルカが逃げ宣言していたわけだし、悪くても5F60秒くらいに思っていたんじゃないか。
これで3コーナーまくって最後の脚色は勝っているわけだから負けて強しの競馬。ただ、まあこのコースだったら負けることもあると。条件が全部外れれば*2、1年に1回くらいは日本でも負けてくれるのかなと思わせてくれる競馬。まあ、スローの阪神大賞典とかで先行の競馬を覚えられたらどうしようもなくなるんだろうけどね。


ルメールの思考というのはもう完全マーク外ということで「出たら出たなりに」行った。今回タップダンスシチーが爆逃ということにならなかったから成功したものの、また5F59秒とかいう流れになっていたら終わっていたわけ。ディープに勝つにはこれしかねえという競馬。ハーツクライにしてみれば初めての先行競馬なわけだから、なかなかできるものではないわな。これからはルメール騎手は全買いしかないかも。


それにしても、リンカーンといいヘヴンリーロマンスといいジャパンカップの反動がなかったのが凄い。共に来年は6歳だけど、疲労回復度がハーツクライと同レベルということならまだ筋肉は落ちてない。上り目はありそうだ。そういえば、驚愕のレコードを出したあのJCに出た馬が故障したという話がいまだに出てこない。馬に負担をかけない超高速馬場というのを東京の馬場造園課は生み出したんだろうか。



その他について


今週の中山の芝は内が荒れながらも前が残る馬場状態でディープが来て前がなんか残る…みたいな予想方針だった。だけど、これタップが前半のラップとしてはスローに落としたんだけど3コーナーから仕掛けはじめて


4着 コスモバルク…まあ1年もろくなレースをしてなかったらこんなもん。よくやったと思います。ハーツが抜け出すまでは楽しめた。先行有利みたいな流れだったけど、実際3コーナーから動いたバルクは止まって当然だし、最後までリンカーンを差し返そうとして兆度菊花賞の4着と同じパターンですね。


5着 コイントスの+6キロには相当びびった。アルゼンチン共和国杯で+20キロという馬鹿調整をしてきたのが鳴尾記念でも−2だったのでここは減ってくるだろうと思ったら550キロ。これはタイムマシーン3号程度にはデブい。今パドックをみるとそれほど無茶に太いといった感じではないので、案外540くらいが理想なのかもしれない。


重い印を打ったオースミハルカは調教も絶好といった感じだったのだが、ずっとコスモバルクにインからプレッシャーをかけられて、外外を回していた。このへんが五十嵐騎手と川島騎手の差かなとも。牝馬同士でやってきたハルカには6Fロングスパートもきつかったかも。やっぱ、有馬は牝馬にはきつかった。あと、家に帰ってきて録画してたM−1見てたら麒麟の1Rのネタで紅茶噴いた。



最後に


有馬記念のドラマ性という意味ではやっぱり今年もかなり酒が飲める内容だったと思う。佐々木先生のブラフとか先行するルメールとかもそうなのだが、あれほどまでに惚れたタップダンスシチーの馬券を一個も買わずただ沈んでいく景色を見るのは感慨深いものだった。


ラストランで鮮やかでもなく消えていった穴馬というのはただ数多くいれども、去年の有馬ほどの調教もできていないのに前走の10着と過去の戦績をして戦前に4番人気まで期待を抱かせて消えていったタップダンスの鮮やかたるや。


それも、ただ逃げたわけではない。勝つ可能性を引き出すために、向こう正面で何度もペースチェンジを行なって後続との差を広げようとしている。ちゃんと埒をとってきっちり沈んだのはもう3年くらい前のことだろうか。穴馬の終焉というものだ。期待を抱かせて地味に散る。


見事だった。タップダンスシチー



ただひとつ
鮮やかさという言葉にして
ロブロイをあっさり沈めたデザトミの
ヘタレっぷりたるや見事という他無し。

*1:A−1ニュースステージ

*2:芝深い、先行有利、スロー