菊花賞

京都11R 芝3000m


偉大なるは菊花賞


数あるG1にフロックあれども菊花賞馬にフロックはなし。トライアルレースが減って、夏の勢いとスローの瞬発力勝負の時代から長距離適正と持久力を要求される本来の姿に戻りかつて言われた「長距離は堅い」というような話はほとんどなくなり人気馬が沈むレースとなった。それでも、この近年の勝ち馬もその後の活躍が目覚しい。本当に強い馬が勝つレースである。



京都競馬場の馬場状態


度重なる台風の直撃により馬場がゆるんではいけないと、芝をきっちり育成。その結果、さらなる持久力を要求する馬場になっている。ただし、今日の結果を見ているとサンデー系が苦戦しているという様子はない。時計がそこそこ出ていることからしても馬場を堅く打っているのではないかと考える。予想するほどのノーザン系の台頭はなさそうだ。



コスモバルクについて


そもそも地方馬であり前走のトライアルで勝つことにかなりの力を注がなければいけないコスモバルクが、菊花賞で重要な折り合いということも帰り見ずレースをしてはどうしようもない。はっきりいって今回も暴走してしまい逃げるだろうが、道中で必ず息を入れなければいけない菊花賞においてそういう逃げ方をしていても到底逃げ切りは無理。ダービーのようにどうしてよいかわからなくなって沈んでいくのが目に見えている。そもそもコスモの馬を地方馬として外厩制度を認めてもそれって地あがりの地方場とはちょっと違うんじゃないか?血統面からしてもシアトリカルの系統は長距離には向いていない。はっきりいって買うのはJRAにだまされているロマン派の素人も同然。こんな馬が人気しちゃうのだから切って当然だよね!



展開


内枠に逃げ馬がいない。エーピースピリットはダート戦で逃げているが、芝を使っていない時点で明らかに距離不安があることからすると逃げない。一発かましてやろうとして逃げというのもありえるが京都の吉田騎手にそれほどの技術はない。京都の3000mで外枠の馬がハナをつくと下りで貯金をつかってしまう不利があるためになかなかハナは叩きたくないはず。おそらくは外からはコスモステージが軽く叩いて前にいき、コスモバルクは出たなりで競馬。ハイアーゲームの蛯名はスタートがよくないがここでちょっと意地悪をしてなるべく内にいれないようにするだろう。ケイアイガードコスモステージの後ろを狙い、バルクと8枠3頭が同位置を前目につけて下るまでにペースは落ちつくだろう。コスモバルクは8枠が先行するのでその後ろにつければ余裕で折り合えるはず。その他の有力馬はハイアーゲームオペラシチースズカマンボ、ホオキパウエーブ、ハーツクライの順の隊列。


道中ではコスモステージは2000mでも道中13秒で息を入れたリする馬なのでコスモバルクがここでかからない限りはまずペースは変わらない。こうなると最初に動き始めるのはスタミナに自信があって先行できて一発狙っていて乗り役が馬を把握しているオペラシチーであろう。3コーナー侵入口でオペラシチーはおそらくインにびったしの8〜10番手なので先行集団に段々おいついていくために仕掛け始める。ここで、ハイアーゲームもさすがに動かざるをえなくなる。それに続いて後方が仕掛け始めるという形。テン乗りの横山騎手はたぶんこの時点で逆に動かず外に回して2着ねらいポジションをつくり始める。コスモバルクの五十嵐騎手はそれまでの5レースで京都競馬場のどの部分が伸びるかということだけに集中してレースに乗り、ここまで折り合っていたならば下りでオペラ、ハイアーとの勝負になると確信する。


反応の良いハイアーがまずコスモバルクに競りかけてくる。団子状態になりながら4コーナーをまわって直線に入り残り350mで2頭が抜け出す。ここでケイアイ、グレートジャーニー、カンパニー、エルコンドルあたりが脱落していくため馬群はぶわーっと外に広がる。オペラシチーはまだエンジンがかからない。ハーツクライスズカマンボ、ホオキパウエーブあたりは大外から差すことになる。残り200m


2頭の競馬となりコスモバルクハイアーゲームに抜かせない。ここでオペラシチーが一冠歩づつ差をつめてくる。最初の2Fでインにより楽をした分の利をもって2頭に迫る。オペラがグリーングラスならばここで勝ち切るだろう。後方からはハーツクライは追い込んでつっこんで3着。ダービーは完全にサンデー馬場を味方につけた死んだふりがはまっただけで2頭と肩を並べるほどの評価はできない。


コスモバルクハイアーゲームのマッチレースを制するのはどちらかとなると距離的にはハイアーゲームかもしれない。だが、コスモバルクの重賞3勝にはどれも菊花賞馬となれるだけの後半ラップ勝負の強さと競ったときの強さを兼ね備えている*1。春の2つと比べても1週前から入厩できるという利があり条件は最も良い。
コスモバルクにとってはこれからのレースの優先出走権をとれるということから、実は菊花賞すらこれからの活躍に対するトライアルなのではないか。次々と閉鎖していく地方の夢を背負うコスモバルクが強い物は強いというレースを見せることができるか。



菊花賞予想


コスモバルク
ハイアーゲーム
オペラシチー
ハーツクライ
デルタブルース


このレースはまさに完璧に3連単が見える。コスモバルクハイアーゲームがはっきりした軸。また、馬券圏内はこの5頭で決まりだろう。


(1)オペラシチーグリーングラス級の場合*2


1着 オペラシチー
2着 コスモバルク
3着 ハイアーゲーム
(2)そうでもなかった場合

コスモバルク →ハイアーゲーム→   3頭
コスモバルク →   3頭  →ハイアーゲーム
この7点で完璧。

*1:セントライト以外は菊花賞馬を出すためのレースだし

*2:こっちが本線